いつまでも、いつまでも、笑っていてほしい。

いつまでも、いつまでも、無邪気でいてほしい。

いつまでも、いつまでも、あなたのままでいてほしい。


そこにあなたがいることがあんなにも自然になってしまっていたから、

あなたが去ってしまった今、とても、とても、つらい。

いつか帰って来てほしい。


いつも、いつも、あなたのことを想っています。


                 2nd.july.2008   
半乾きのアスファルト。

雨上がりの夕暮れ。

トンネルの向こうの霧雨。

太陽を一周する虹。

いつの間にか上がっている雨。

誰かと歩く川べり。

あなたと眺める星空。

木々を揺らす湿った風。



もうすぐあなたが帰ってくる。

もうすぐ夏がやって来る。

いつの時代にもかなわぬ恋はあるんだね。

彼女は23歳だった。

異国からの帰郷。

数年ぶりの家族との再会。

夜通し語り合った。


そして、ある人に恋をしていた。

彼から365日絶えず届く手紙。

彼女は彼を心から愛していた。

しかし運命は、彼女を愛する者のもとから遠ざけた。


彼女は嫁にいく事になった。

優しい心を持たないその家に。

幾度もの苦難が彼女を襲った。

支えは、まだ幼かった子供の存在だけだった。

ある日彼女は死を決意し、神社の裏の沼地へ行った。

背中に息子を抱えて。

水辺まで来て、彼女は幼い息子を想った。

想うとどうしても飛び込むことは出来なかった。

この子にはまだまだ長い人生が待っているから、この子を死なせるわけにはいかないと。


それからもつらい日々は続いた。

彼女は耐えた。

愛する子供のために。


そんなある日、運命は彼女に微笑んだ。

数年ぶりだった。

以前より少し年を重ねた彼が訪ねてきた。

互いに家庭を持ってはいるものの、二人は互いのことを想っていた。

別れ際二人は握手をかわした。

互いにまだ独り身だったなら、と。

二人が会ったのはそれが最後だった。


60年の年月がたった今、彼女はばあちゃん。

ばあちゃんは時々何かを想いながら、彼のことを話す。

その瞳はまぎれもなく恋する女の子の瞳だった。

彼女は今も変わりなく彼を想っているのだ。