体調不良森田…
そろそろシリーズ書かないとですね。



「さっむ...」

寒さで目が覚める。今日は冬らしい気温になると言っていたのを思い出して、ベッドに潜り込んだ。
普段保乃ちゃんと2人で寝ている寝床には、私一人分の体温しか無いのが少し寂しくて、まだ重たい身体を引きずりながらリビングに向かった。

「おはよひいちゃん」

「おはよ〜」

キッチンで料理してくれていた保乃ちゃんが振り返る。パジャマ姿にエプロンをつけ、鼻歌交じりに卵焼きを焼く保乃ちゃんは、多分現代の天使だ。

後ろから何も言わずギュッと抱きしめると、朝から甘えたさん?なんて抱きしめ返してくれる。私の彼女可愛すぎません?

「もうできるで~。顔洗っといで。」

「はぁ~い」

保乃ちゃんとの朝のハグを終えて、洗面所に向かう。
…なんだろう、今日は目元が霞んでる。目は悪い方では無いけど、なぜか今日は前が見ずらい。さっきもドアの段差で躓きそうになったし。

目を擦りながらリビングに戻ると、保乃ちゃんが訝しげな顔をして私の方に向かってきた。

「ひいちゃん、今日どうしたん?」

「わかんないけど…なんかすごい目がぼやける…」

「…ちょっとごめん、おでこ触るで」

保乃ちゃんが私のおでこに手を当てる。私はここ数年体調を崩しやすくなった。
だいたい夜に熱をあげて、次の日起きたら治ってることが多い。でも、今日は熱上がり始め特有のだるさはない。

「大丈夫だよ、体熱くないし」

「…うーん、そうだ。保乃早起きして眠いから、一緒に二度寝せぇへん?多分まだひいちゃんも眠いんやと思う!」

「ねむい…のかな。なんかまぶた、重いかんじする…」

「まだ7時やからね。ちょーっとだけ寝たらご飯食べよ、な?」

「んー…」

視界と同じくらい思考も霧がかったようにぼやけていく。なんだかほわほわして、案内されるままにベッドに潜り込んだ。



ぴぴぴ…ぴぴぴ…

機械音が聞こえる。ゆっくり目を開くと、視界が酷くぼやけている。目の前にいる保乃ちゃんが、何かを持っているのは分かる。…体温計?

「…やっぱり上がっちゃったかぁ」

「ほのちゃん…?」

「ごめんな、起こしてもうた。」

身体の節々は動かすのも苦痛で、頭も締めつけられるようにズキズキする。嫌でもわかる、熱の時の体の痛みだ。

「うぅ…ほのちゃぁ…」

「身体辛いなぁ。おいでひいちゃん。」

「うっ、ひぐ…、ほの、ほのちゃん…」

子供みたいに泣きながら、保乃ちゃんに縋りつく。熱が出ると、いつもメンタルが弱くなって泣いてしまう。しくしくとすすり泣き続ける私を、保乃ちゃんは優し抱きしめてくれた。



ひいちゃんは泣き疲れて、数分後にはすやすやと眠りについた。

「ひいちゃん」

「…」

「最近頑張りすぎやで。先週も熱あげてたし、ここ数週間で熱5回は出とるやん。」

「…」

「って、寝てるひいちゃんに言っても意味ないんやけどなぁ。…ちゃんと、頼ってな。同期としても恋人としても。」

自分の胸の中で眠っているひいちゃんの髪を撫でると、ふにゃふにゃと寝言を言っている。
自分よりだいぶ温かい彼女を抱きしめていると、私にも睡魔が襲ってきたので、ゆっくりと目を閉じた。



ぴぴぴ…ぴぴぴ…
聞きなれた機械音と、空腹感で目が覚める。カーテンの隙間から覗く日差しの色は、もう朝の色ではなかったけど、沢山寝たからか体の痛みは無くなっていた。

「ほあ…」

「おはよひいちゃん。熱、だいぶ下がったね。」

「んん…おなかすいた…」

「んふふっ、お腹すいた?ひいちゃんは食いしん坊やからなぁ〜」

私の寝癖を治すように、保乃ちゃんは私の髪を指で梳く。その腕の間を縫って保乃ちゃんの腕の中にぽすんとおさまると、何も言わずに頭を撫でて抱きしめてくれる。

「ほのちゃーん」

「ん?」

「大好き」

「えへへ、保乃も大好きやで」

陽だまりみたいなあなたの体温が、いちばん暖かくて愛おしい。