『ワンダー 君は太陽』ネタバレ感想 | Nシネマ

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今週はこちらを観てきました。

 

ずっと公開日を待っていた作品です。

 

 

 

 

●あらすじ

生まれつき顔立ちが人と違う少年オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は、幼いころから自宅で母のイザベル(ジュリア・ロバーツ)と勉強してきた。10歳になり学校に通い始めた彼は同級生と仲良くしたいと願うが、じろじろ眺められたり避けられたりする。しかし彼の行動が、周囲の態度を少しずつ変えていき……。

 

 

●結果(★5=満点)

 

★★★★★(5.0)

(観てーーー!!)

 

 

 

 

 

●感想

(敬称略)

 

 

超、超、超すばらしかったです。

もう、他に言う言葉が見つからないです。

 

これから書く感想が

陳腐なものになってしまって

映画の良さを消してしまわないか

不安になるぐらいです。

 

本当に

観てよかったです!!!!

 

 

 

 

このお話、

予告などで予想するに

人と違う顔を持った少年が初めて学校に行き

イジメや差別に負けず

仲間を作り成長していくという

泣ける感動ストーリーと思っていたのですが

大間違いでした。

 

感動したことは

もちろんそうだったのですが

全体的に

とっても明るい描き方。

 

笑えるシーンもいっぱい。

ポップな印象さえ受けました。

 

 

 

オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は

人と違う顔で生まれてきました。

 

今まで27回手術をしています。

やはり不自然さは否めず・・・

 

が、これを除けば

普通の子供と同じように

元気に暮らしています。

 

 

家族は両親と姉、犬。

母親イザベル(ジュリア・ロバーツ)は

オギーのために仕事ややりたかったことを中断しています。

子供の将来を思って学校に行かせる決断をする

優しさだけではないステキな母親です。

 

 

父親ネート(オーウェン・ウィルソン)は

オギーと仲良しで

いつも彼を勇気づけます。

 

姉ヴィアも

優しくオギーを守る大切な存在。

 

 

オギーはこれまで

勉強はずっと母親が教えており

外出時や家の中でも

ヘルメットをかぶって生活していましたが

 

 

母親が5年生を機に初登校させる決意をしました。

 

両親に言われ

ヘルメットを取り

校門をくぐるオギー。

家族の不安な気持ちは

いかばかりだったか。

 

でもみんなオギーを励まし

送り出しました、

 

 

 

校門を入るオギー。

当然

みんなジロジロ見る。

もしくは目をそらす。

避ける。

 

子供ってわかりやすいからね。

 

いや、大人も

見ないようにしたりするよね。

 

 

こんな辛いときは

オギーはいつも妄想。

 

宇宙飛行士で人気者、

みんなとハイタッチだ!

オギーが今まで

どのように

周囲から見られてきていたのか。

 

そして辛い気持ちを

こうして乗り切ってきたことが

これで伝わりました。

 

 

 

 

さてオギーの同級生の一人

金持ちの息子ジュリアンは

初対面の時に

頭のいいオギーに言い間違いを指摘され

カチンと来て

登校初日から

仲間と一緒にオギーをいじめ始めました。

 

 

予想していたとはいえ

ショックを受けるオギー。

 

ママや皆に励まされる。

 

 

 

 

もう一人の同級生・ジャックは

貧しくて

奨学金をもらって

学校に通っています。

 

最初はジュリアンと一緒に

オギーをいじめていましたが

オギーから答案用紙を

カンニングさせてもらったことが

きっかけとなって

オギーが独りぼっちだったランチに

一緒に座り

友達になりました。

 

 

家でゲームをしたり

スターウォーズごっこをしたり

 

初めての友達が出来て

はしゃぐオギーでしたが・・・・

 

 

ハロウィンの日。

 

今までハロウィンは

みんなが仮装するので

外を堂々と歩けて

オギーにとって大好きな一日でした。

 

ジャックと約束していた

スター・ウォーズの

キャラクターのコスチュームが

愛犬デイジーに汚されてしまったため

予定外のスクリームのお面をつけて登校したオギー。

これね。

 

教室に入ると

ジャックが

「オギー?あんな顔だったら自殺する」

「校長に頼まれたから仲良くしていただけ」と

言うのを聞いてしまい

ショックを受け、学校を飛び出します。

 

ジャックはスクリームを見ていましたが

当然

誰だかわからず。

 

オギーにとって大好きなハロウィンが

最悪の日になってしまいました。

 

 

 

その日以来

ジャックと距離を置くオギー。

 

話しかけられても冷たい態度。

 

ジャックは

理由がわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

話が変わりますが

この映画は

オギーのナレーションで話が進むのですが・・・

 

そのほかに

・姉ヴィア

・その友達ミランダ

・ジャック

 

この3人の

回想と心の声が

途中途中に入ってきます。

 

オムニバス形式・・・とまでは行かないまでも

それらしい作り。

 

これがまた

オギーを取り巻く人たちの

本音=真実が

ストレートに伝わってくるので

とてもとても好きな描き方でした。

 

 

 

まず姉のヴィアの本当のこと。

 

彼女は「世界一手のかからないいい子」と

両親から言われていています。

オギーのために

色々なことを犠牲にしている両親を見ているので

決して我がままを言わない。

 

でも本当は寂しい。

パパママ、私を見て。

これが本音でした。

 

これは

それまでの家族の様子から

「お姉ちゃんよりオギー優先の家庭だな、

お姉ちゃん大丈夫なのかな」と思っていたので

「やっぱり!」と思いました。

 

観ていて

自分の予想が当たった時って

なんか得した感じになります。

 

 

 

ヴィアにとって一番の存在は

おばあちゃんでした。

 

彼女だけが「あなたが一番好きよ」と言ってくれた人。

「オギーは?」と聞くと

「彼は皆が見てるでしょ」と言ってくれた。

 

なんて素敵なおばあちゃん!

このシーンは涙ウルウルでした。

 

 

その祖母の死後

唯一の理解者だった友人のミランダは

サマースクールの後

急に見た目や態度が変わってしまいます。

 

ヴィアは寂しい気持ちで

いっぱいになりますが

演劇部で黒人の彼ができます。

最初は弟がいることを隠していたのですが

家に招きオギーを紹介。

「たまたま両親二人とも持っていた遺伝子が原因

私もオギーと同じだった可能性があった」

と打ち明けました。

 

ここで初めて

オギーがなぜ

人と違う顔で生まれたのかが語られ

疑問が解消され

スッキリしました。

 

 

その後ヴィアは両親に

演劇部の舞台があることを

隠していたことを責められ

ヴィアは初めて両親とケンカして

初めて自分の気持ちをぶつけたのでした。

 

 

 

 

 

次はヴィアの友達ミランダの「真実」。

 

ヴィアと家族ぐるみで仲良しで

ヘルメットをプレゼントしたのも彼女でした。

 

 

彼女は

参加したサマースクールで

「ほかの人に成りきる」ゲームに参加した時、

ヴィアとオギーたち一家の真似をし、

スクール一番の人気者になったのですが・・・

 

仲良くしていた

障がいのある家族の真似をしたこと

ヴィアの言動の真似をしたことによって

ヴィアのすばらしさを知ったこと

 

これらの後ろめたさで

ヴィアとこれまでと同じように

接することができなくなっていたのでした。

 

同じ演劇部なのにこの距離。

 

もぉ~子供ね~!!

気になっても

いつもどおりに接すれば

よかったのに!!

 

それか本人に

正直に

言っちゃえばよかったのに!

 

・・・というのは大人が言うこと。

 

子供ってさ。

そういう感じだったよね。

 

思い込んじゃうんだよね。

 

はがゆいけど

それが子供なんだよね。

 

 

 

ミランダは

ヴィラに彼ができたのを知り

寂しくなって

オギーに電話。

 

自分から離れたけど

相手が離れると

嫌なんだね。

 

ミランダは

今までと変わらないオギーと

久しぶりにおしゃべりして

気持ちが変わり、

舞台での自分の主役の座を

直前になって

ミランダに譲りました。

 

「あなたならできる!がんばって!」と

励ますミランダ。

ヴィアは出ないと思っていた

両親やオギーは大喜び。

ヴィアの寂しさも埋まりました。

よかった!!!

 

 

 

 

最後はジャックの真実。

 

彼は最初は

自分の母親に言われ

オギーと仲良くしていたのですが

付きあっていくうちに

本当に

オギーが大好きになっていたのです。

 

 

そんなジャックだったので

突然理由もわからず

オギーに冷たくされて

激しく動揺していました。

 

 

やっぱり

ハロウィンの時のあの言葉は

周りの空気に

流されていただけだったのね!!!

 

でも、あ~

これも子供ならではよね~。

 

孤立することが怖くて

雰囲気に流されて

心と違うこと・・・

言っちゃうんだよね~。

 

 

 

そのころオギーには

新しく友達になったサマーという

少女がいました。

 

彼女も女子グループがオギーの悪口を言うことに

愛想をつかし

(「ペスト菌が映る」とか)

オギーと仲良くなりました。

 

黒人ということで

きっとオギーと思う所が同じ部分が

あったのかな、と思います。

 

 

ジャックはサマーに

オギーが離れていった理由を聞き

彼女からヒントを教えられます。

 

色々考えて

やっと理由がわかったジャック。

 

ゲーム越しにあやまって仲直りしました。

 

よかった~!!

 

 

・・・ということで

この3つの話が

途中途中に入ることによって

オギーを取り巻く人たちの背景が

ものすごく伝わって

一人一人に

どっぷりと感情移入することができました。

 

この流れ

すばらしい!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

さて

仲直りした

オギーとジャックの2人は

理科の研究大会で優勝しました。

 

 

それに嫉妬した

金持ちジュリアンのいじめは

クラスの集合写真を加工して

オギーをいないことにしたり

エスカレートしていきます。

 

やがて起こるケンカによって

いじめが発覚。

 

学校側が対処に乗り出します。

 

 

この学校、

担任の先生や校長先生が

とにかく人格者で

ステキでした。

 

担任の先生は格言好き。

「正しいことと親切な事 迷ったら親切な事を選べ」

いい言葉だったなぁ。

胸に刻もう。

 

 

 

校長先生は 

オギーをいじめた生徒ジュリアンと両親を

呼び出しました。

 

「息子は悪くない」と言い張る両親に

証拠を見せます。

 

が、両親は

「多額の寄付をしているのに」

「教育委員会に知り合いがいるぞ」と。

 

あきれる校長。

 

停学2日を言い渡すのですが

両親は「新学期には違う学校にいる」と

転校することを告げます。

 

ジュリアンは驚き

両親に

「この学校が好き、ここにいたい」と言うのですが

親は完全に無視。

 

 

校長室を出ていく時

振り返って校長を観る目が・・・

 

まさかいじめた自分が

学校を去るとは。

代償は大きかったね。

 

 

ほんと、

こういう感じで

生徒はみんな良くも悪くも

「子供」でした。

 

見た目で判断。

友達の意見に流される。

素直すぎるんだよね。

子供ならではの世界かな。

 

この感じが全編

ビシビシと伝わってきました。

 

 

 

 

お話に戻り

オギーは

林間学校に参加。

 

親元から離れるなんて初めて!

楽しく過ごしていましたが

ある日

上級生からいじめられてしまいます。

 

オギーをかばったジャックは

怪我をしてしまい

オギーは

上級生に立ち向かいます。

 

しかしそこへ

仲間がかけつけて

無事に逃げ出すことに成功!!

 

オギーにはいつの間にか

たくさんの仲間が

できていました。

 

もう一人じゃない。

 

 

 

 

あ~よかった!!

嬉しい!!

 

 

 

そして終盤、

5年生の終業式(でいいのかな?)。

 

オギーはなんと!

学年で一番貢献した生徒に選ばれ

表彰されました!

 

驚き涙するパパとママ。

 

たった一人だったオギーが

笑顔で

みんなから拍手喝さいを浴びている・・・

 

本当に

本当に素敵なシーンでした。

泣けたわ~。

 

 

ラストは

「仲良くなりたかったら

よく見ること」

という格言。

 

 

よく見ること。

 

この話の全てを

物語る言葉。

深いです。

 

 

 

 

 

 

この映画は

オギー役の演技が

めちゃくちゃ重要だと思うのですが。。。

 

ジェイコブ・トレンブレイくん。

『ルーム』での演技がすばらしかったことは

記憶に新しいです。

 

が、いやはや、この映画でも

すごい!!!

 

特殊メイク2時間とのことでしたが

手術した顔の特殊メイクだから

目が唯一

自由な部分だったと

思うんだけど

その目だけで

全てが伝わるって。。。

すごいですよね。

 

子役ではなく

りっぱな俳優です!!

 

拍手喝さいな気分でした。

 

 

 

そして

脚本も演出も演技も

内容が内容なだけに

完成まで

とても大変だったと思いますが

全てが最高なもので。

 

本当に心から感動しました。

 

 

決して

泣ける話じゃない。

 

前向きで明るい

青春映画です。

 

 

この観終わった後の

大きな大きな

充実感。

満足感。

 

こんな気持ちになった映画は

久しぶりです。

(『リップヴァンウィンクルの花嫁』以来?)

 

間違いなく

ここ数年で

上位に入る一本になりました。

 

上映館が少ないのが悔しい!

もっと増やしてほしい!!

 

 

ネタバレ感想したけど

とにかく観て!

 

その一言につきます!

 

観てください!!

 

ぜひぜひぜひ

観てくださいね!!!