13時45分からの藤田&山田による漫才めいたプレトークの後、14時00分から本公演。
前半最初は、ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲。
この作品の夢幻的な雰囲気が良く現出された美演でした。
続いて、藤田がソリストを務めてのラヴェル/ピアノ協奏曲。
藤田の水際立った美しいピアニズム、とりわけ第2楽章のデリカシーに、山田&モンテカルロ・フィルも華麗な美しさを以て応えていました。
ソリスト・アンコールは、ショパン/24の前奏曲~第7番&第16番。好演でしたが、個人的には東京公演で弾いたらしい矢代秋雄の作品を聴きたかったのだけれど。
後半は、サン・サーンス/交響曲第3番「オルガン付き」。
この日の公演で私が一番楽しみにしていた演目でしたが、第1楽章第1部及び第2楽章第2部の頂点が粗い音塊と化してしまっていたり、第1楽章第2部が今ひとつ表面的に聴こえ心を捉えなかったりと、些か物足りなさの残る演奏でした。
山田から、今回のモンテカルロ・フィルの一連の日本公演は「RMF & 山田和樹グローバルプロジェクト」として公益財団法人ロームミュージックファンデーションの支援のもとに行われ、日本人のアシスタント・コンダクターや奏者が参加している旨説明があり、オーケストラのアンコール1曲目はそのアシスタント・コンダクター岡本陸の指揮で、シュレーカー/舞踏劇「ロココ」~第3番「マドリガル」。弦の豊麗かつ清冽な響きの中に管を巧く融け込ませた美しい佳演でした。
アンコール2曲目は山田の指揮で、ビゼー/アルルの女~ファランドール。華やかな好演でした。
正直なところ、藤田目当てに押し寄せた客層で鑑賞環境が損なわれるのではないかと開演前は危惧していたのですが、まずまず杞憂に終わったのは幸いでした。
![クラシックランキング](https://blog.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_1117_1.gif)
クラシックランキング