10月31日(火)、「内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ」川崎公演を聴きにミューザ川崎シンフォニーホールへ。
前半最初は、内田の弾き振りによるモーツァルト/ピアノ協奏曲第25番。
落ち着いたテンポでモーツァルトの光彩と陰翳を存分に描き尽くした第1・第3楽章に静穏な美しさを湛えた第2楽章と、流石の演奏でした。
続いて、シェーンベルク/室内交響曲第1番。
これも内田光子が指揮するものとばかり思っていたのですが、メンバー15名のみによる室内合奏でした。
初めて聴いた曲でしたが、シェーンベルクが無調に進む前のドイツ後期ロマン派の残滓を十二分に感じさせる複雑精緻な作品の特質を、メンバーが積極的に体現していました。
後半は、再び内田の弾き振りによるモーツァルト/ピアノ協奏曲第27番。
第25番同様かなりゆったりしたテンポが採られ、時に何処か内的沈潜さえ感じさせる演奏で、この作品の清澄な世界が表出されていたと思います。
ホールの音響に依るところもあるのだろうけれど、マーラー・チェンバー・オーケストラ、小編成ながら非常に充実した響きを醸し出していました。
ところで、私の右前方の席の男性客、オペラグラスの代わりのつもりか、演奏の前後にスマートフォンのカメラのズーム機能で盛んにステージを観ていて…流石に撮影こそしていなかったようだけれど。
それはそうと、最近平日夜のコンサート鑑賞が身体にこたえるようになってきた…。
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