9/28(金)、ロンドン交響楽団横浜公演を聴きに横浜みなとみらいホールへ。
指揮はこのほどベルリン・フィルを退任したサー・サイモン・ラトル。
前半は、ヘレン・グライム/織りなされた空間(日本初演)。
第1楽章「ファンファーレ」の最初の動機群の運動性や動と静の対比、第2楽章「織りなされた空間」の前半の或る種の静謐さの中で標題が指し示すが如く何かを織り成すかのような趣、第3楽章「水路」の終盤の運動性辺りが興味を惹く作品ではありましたが…、総体的にはよく分からなかったというのが正直な感想です。
後半は、大好きなマーラー/交響曲第9番。
ラトルのこの曲の実演を聴いたのは、2011年11月のベルリン・フィル東京公演以来でしたが、その折やCDでは些か誇張に聴こえなくもなかった第1楽章第1主題の提示に於ける “Fis-E” の動機の “Fis” の比重が、今回は心は籠もりつつも自然なものに。
時に急激なアッチェレランドが気になったりはしたものの、同楽章展開部前半の静寂さや後半の葛藤、再現部からコーダにかけての意味深さと、流石ラトルならではの演奏。
粗野さと洗練が同居する第2楽章も性格の表出が素晴らしく…。
第3楽章前半では、曲の尖鋭さを活かしつつもじっくりと純音楽美を指向した音楽づくりが為されていたように感じましたが、それが中間部の天国的な美しさと主部の回帰の凄絶さそして悪魔的な終結、更にはあの深々とした感動的な第4楽章の世界をより一層際だたせて導き出す結果に繋がっていたと思います。

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