8/23(土)午後、東京・初台の新国立劇場での三善晃/オペラ「遠い帆」公演を観に行きました。












昨秋石巻の宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」復旧再開館の初日、館内ロビーでこの作品の初演時のVTRが放映されていたのですが、雑踏の喧騒にかき消されて全くと云ってよい程音楽は聴こえず、おまけにガラス越しの陽光でロビーがサンルーム状態と化し猛烈な睡魔に襲われてしまったので、…今回が私にとってこの作品の実質初めての鑑賞。







日本人にとっての、それも禁制期に於いてのキリスト教を題材としたオペラでは、2年前に松村禎三「沈黙」を観ていますが、いずれも緻密ながら、「沈黙」が時に冷徹な迄の厳しさを感じさせるのに対し、今回の「遠い帆」はより直截な激しさに充ちているようにも感じました。
そして「沈黙」の中でしばしば現れるオラショと同様、冒頭と結尾に現れる童の数え歌の素朴な美しさが、オーケストラと残酷な迄の対比を成していて…。

そうそう、カーテンコールの終盤、三善氏の遺影が掲げられた時には、胸にじーんとくるものがありました。