過日のティーレマン&ウィーン・フィル東京公演に続き、11/18(月)夜、今度は芸術監督サー・サイモン・ラトルの指揮によるベルリン・フィル東京公演を聴きに、再びサントリーホールへ。
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演目は、シューマン/交響曲第1番「春」、プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番(ヴァイオリン:樫本大進)、そして一大スキャンダルとなった世界初演から今年が丁度100周年のストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」。
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翌々日の11/20(水)に同一プログラムでミューザ川崎シンフォニーホールでの公演も予定されており、当然そちらの方が行きやすいところではあったのですが、あいにくN響Bプロ定期と重なっていた為、已む無くこの日の東京公演にしました。
尤もベルリン・フィル(とウィーン・フィルそしてサイトウ・キネン・オーケストラ)の場合、チケットの争奪戦に勝ち抜け得るか否かがまず問題ですが。
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ラトル&ベルリン・フィルの実演に接するのは2年前の東京公演、そう、あの震災の年の秋のマーラー/交響曲第9番以来。

まず前半のシューマン、団員の高い技倆をラトルが完全に掌握しつつ、シューマン独特の符点やシンコペーションのリズムがもたらす躍動感や第2楽章に於ける心の籠った歌等を流石に見事に表出していました。
シューマンの生涯の中で最も幸福だったであろう時期に書かれた、眩いばかりの生の歓びと情熱に満ちたこの作品の魅力に浸りつつ、ふとその後のシューマンを待ち受けていた悲劇的な運命にも想いを致し、少々複雑な気分に…。
シューマンの「春」と云うと、私は2006年6月N響Cプロ定期(シューマン没後150年)に於ける準・メルクル、そして何と云っても1998年11月のN響岡山定期公演に於けるサヴァリッシュの名演が忘れ難いですが、今回もまた印象に残るものとなりそうです。

20分休憩の後、自席に戻ってプログラムに眼を通していると、まだ樫本大進もラトルもステージに現れていないのに盛大な拍手と歓声が湧き起こったので、何事かと顔を上げてみると…、天皇・皇后両陛下の行幸啓でした(後刻知ったのだけれど同夜の東京文化会館でのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の公演には皇太子御夫妻が臨席されたとか)。

樫本&ラトルはプロコフィエフのモダニズムを捉えつつ、両端楽章のロマンティシズムをも的確かつ豊かに表現していました。
アンコールのバッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番~ガヴォットの樫本の演奏がまた、伸びやかで端正な美しいものでした。
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しかしこの日の圧巻はやはり「春の祭典」。
緻密さと律動感に於いては前年12月N響Bプロ定期に於けるデュトワの演奏も決して遜色はなく、色彩感と云う点ではむしろデュトワの方が上回っていた部分さえあったように思うのですが…、底力の違いは如何ともし難いものがありました。
そうそう、冒頭のファゴットの高音域のソロ、あれ程迄に表情豊かな演奏には初めて出会いました(あいにくその奏者の名前を私は知らないのだけれど)。

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