9/11(日)、渋谷EUROSPACEで映画「朱花(はねづ)の月」を観た後、昼食を済ませてからNHKホールに向かい、15:00からのN響第1706回定期公演(9月Aプロ定期2日目)を聴きました。
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新シーズン最初の定期公演でタクトを執ったのは、昨年4月の定期公演に於いてもマーラー/交響曲第9番、ブルックナー/交響曲第5番、そしてベートーヴェン/「皇帝」「英雄」で聴衆に深い感銘を与えた、名誉指揮者の巨匠ヘルベルト・ブロムシュテット。
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プログラム前半は、独墺系作品と並んでブロムシュテットが得意中の得意としている北欧音楽の中から、シベリウス/ヴァイオリン協奏曲。
本来ソリストとして登場する筈だった、レオニダス・カヴァコスの演奏は、9年前にサヴァリッシュ&N響とのメンデルスゾーンの協奏曲を聴いたことがあり、なかなかの好演だった印象があるのですが、健康上の理由により降板の旨2~3日前にN響事務局から葉書が届き、少々落胆しました。しかし…。
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代役を務めるのが竹澤恭子と知り、驚くと共に、カヴァコスには申し訳ないながら跳び上がらんばかりに喜びました。竹澤恭子の実演は、シベリウスの協奏曲は以前デュトワ&N響との、またブロムシュテットとの協演ではライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団来日公演でのベートーヴェンの協奏曲の、それぞれ素晴らしい演奏を聴いたことがあるからです。
果たして持ち前の深い精神性と構築性・表現力を以て、今回も名演を聴かせてくれました。バックのブロムシュテットも、第1楽章冒頭の密やかで何処か謎めいた弦の弱音の音型からして清冽で、管楽器の個々の音色が活かされながらも弦の響きと絶妙のバランスで溶け合っており、どんなに最強奏になっても決して粗くならない辺りは流石でした。

後半はドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界から」。
やや通俗化してしまっている感も否めないこの曲も、準・メルクルやネルロ・サンティ、そして今回のブロムシュテットのような真の名匠の指揮の下では、とても新鮮に聴こえます。