青の奇跡-エピソード9- | 初代スマブラ名人の居間

初代スマブラ名人の居間

初代スマブラ名人の及川です。

ここではスマブラだけでなくゲームの楽しさを皆さんと共有していけるようにを想いを書いていこうと思います。ゲームに興味がある方に少しでも楽しんでいただく為に始めました。

「‥アハハ!面白いですね。巧さんは。」
「笑うなー!
俺は決めた事は納得のいくまでやり通すヤツなんだ!」
「‥そうでしたね」
こんなやり取りをしてたら時計の針は12時を回ってたりした。
来月の電話料金は多少覚悟が要りそうだ。
次の日、嘘のように雨が止んだ。

朝一番のテレビでは「気象衛星の故障だった。」とか言ってる。
昨日の教授も映ってるけど何やら気まずそうだ。
な~にが「天変地異の前触れ」「世界滅亡」だ!?
ホレッ、見た事か。
「な?俺の言った通りだったろ。
そう簡単に滅びるわけないっての。」

鼻歌交じりで、アイツに報告の電話を掛ける。
トゥルル、ガチャ。
早い応対。
ワンコールで電話が繋がった。

「おぅ、おはよー!やっと晴れたなー!やっぱりそう簡単に‥」

「ザァアアアァァァァァ・・・」

受話器の向こうより彼女の声は聞こえてこない。
その代わりに激しく降り注ぐ雨音にも似たノイズが聞こえる。
「おい!どうした!?」
「‥公園。」

ガチャ。
通話が遮断された。
『公園』
辛うじてその単語が聞き取れた。
サンフラワー公園にいるのか?

兎に角行ってみるしかない。
今すぐ、行かなければ。
だけど‥何故か胸騒ぎが止まない。
何だろうか、この焦燥感は?

ザァァァッァァァァ!!!

不安を掻き立たせる要因。
それは、晴れた筈なのに
いつの間にか窓の外に降りしきっている雨だった。

■ ■ ■
身体が鉛のように重い。
傘など差さずに家を飛び出してきたから
衣服に雨が激しく染み込んでいる。
走る速度も緩める事なく
公園へと向って走行しているから息苦しくなってきた。

『公園』

もしも、サンフラワー公園じゃなかったら?
その事ばかりが幾度と無く脳裏を過ぎった。
それでも足先はサンフラワー公園へと向いていた。

サンフラワー公園に着いた時、
園内に人影は確認できなかった。

そもそもこんな大雨の日に外出する酔狂なヤツなど
普通に考えたらいるわけない。

だけど彼女のあの言葉を便りに俺は自然と来てしまった。

やっぱりここじゃないのか?

だが、その時ドシャ降りの中、
ブランコに佇む人影を一つ確認することができた。

間違いない、あれは、みーだ!

すぐさまブランコへと向う。

(続く)