私は日ごろ、あまりお酒を嗜みません。
下戸というわけではないのですが
愛犬と行動したり、友人をクルマで
送迎することの方が多く好きなので
酔うことより、楽しませることを
選んでしまっているようです。
そんな私が、どういうわけか
8月10日の夜、もうすぐ母親が退院する
ので、今でないと楽しめないことをしよう
と考えて、出先からどこへ行こうか
考えていました。
池袋からそのままJRに載ってしまうと
呆気なく帰路になるし、満員電車を
避けようと自然に路線バスを探しました。
『中野行き』 を発見。
中野は私が設計業に転職して初めて
就いた思い出の地でした。
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転職したのは今から8年前です。
土木の設計事務所で、そこの所長さんが
とても可愛がって下さいました。
たまに昼ご飯もご馳走して頂きましたし
2ヶ月に一度は、現場へ連れていただき
※↓こんな所に連れていただきました↓
http://ameblo.jp/nabechalin/entry-10924448567.html
日本の建設業界のお話も伺いました。
そんなことで、中野は思い出の地。
少年のココロとしては、北口の商店街
の奥にある 【ブロード・ウェー】 が
とても魅力的で買取られて売られている
懐かしい玩具を見ては童心に還ります。
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さて、バスはサンプラザの前へ着きます。
まずはブロード・ウェーをウロウロ…。
火灯し時分ですから酔った団体さんも
チラホラと現れています。
私が勤めていたのは、南口。
しかし、事務所はもう閉じられていて
所長さんは数年前つくばの開発のために
都市開発機構へ出向されました。
のちに過労ですい臓がんを患われて
たまたま電話させて頂いた時は築地の
癌センターへ入院される前日でした。
早速、お見舞いに行きましたが
元気そうで安心してしまい、つい
ご家族の連絡先はお伺いしませんでした。
多分、それが永の訣れだったかもしれません。
その所長さんがよく連れて行って下さった
立ち飲み屋さんの 『シメサバ』 を求め
私はマルイの裏手へと歩いて行きました。
すると…
マルイ自体が再開発なのか、本館の他に
別館を作っているのか、とにかく記憶を
辿って行った所が大きな現場と化していて
ついに見つけられませんでした。
ションボリしながら駅へ引き返すと、
サッカーの日韓戦を流しながら、
生ビールを190円の格安で出している
清潔で魅力的なお店がありまして、
つい入ってしまいました。
さのやさん。
常連さんや若いカップル、女性2人連れ
男性3人の賑やかなグループ、
あと、女優さんみたいな女性が一人で。
気軽に入れる楽しいお店でした。
初めて一人で入るのですが、
そこは役者ななべちゃりん。
いかにも飲み流して歩いている風に
『まず生を一杯下さい』
と注文。
阿川佐和子さんにそっくりなお女将に
大竹まこと風のご主人が切り盛り。
弾力性のある黄身の卵とつくね。
すごく美味しいのですが、
値段が安い!!!
イカとオクラの和え物。
普通に食べていましたが、ちょっと
イカの新鮮さや歯ごたえが普通じゃ
ないですね。
280円均一のお店などが流行って
いるようですが、ここは鳥が中心で
全てが新鮮で美味しい。
ご主人とお話させて頂きました。
こういうお店でお酒飲みながらご主人と
お話するっていうのも当然初めてです。
なんでも、厳選された確かなルートの
鶏肉をまずお店が軌道に乗るまで
原価ギリギリでやっていこうと
いう経営方針だそうです。
まだオープンしてから2ヶ月しか
経っていないそうで、常連さんからは
『こんなに安くしたら店潰れるよ?』
と言われているそうです。
私も正直そう思いました。
ご近所に棲むカップルさんも、
仕事帰りで女子話を展開する2人も
3人で内輪話で盛り上がる男性たちも
女優さんのようなお顔立ちのお一人様も
みんな、初めてではない感じでした。
焼き鳥盛り合わせが。。。5本で
この内容で(部位が種々あって)
580円でしたから、かなりお得。
塩で注文したので、ご主人は
『品質に自信があるので嬉しいですが
塩は緊張しますね~』
と仰っていました。
特に味にうるさい方ではないのですが
お役に立てた? ようで、嬉しいです。
最後に常連さんのグループと仲良しに
なったりして、面白かったです。
私の立ち位置のそばでカウンターを
撫でながら仕上げに目が行っていた
男性が、そのグループの方で
見た目職人肌のようでしたから
『大工さんですか?』
とお伺いしましたら
『舞台芸術の職人でして、大泉の東映に
勤務しております。 ここの店舗の
デザインと施工に実は関わりました』
ということで、意気投合。
私は建築畑から、彼は造詣畑から
いろんなことを多角的にお話できて
幸せなお時間でした。
『例えば、Nさんのお部屋を忠実に再現
しろって言えば、私は完璧にやります』
というほど、自分のお仕事に誇りを持って
おられ、日本の映画造りにこれからも貢献
したいという高い志に感銘しました。
思いつきで立ち寄った中野の夜。。。
また行ってみたいと思いました。