【フックボウリングのメカニズム(7)】:教科書的と個性派・その1、…どちらもリリースは同じ。 | なべちゃりん的な考え方?? 宜しければ、戴いて下さい♪

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以下の動画は、私がボウリング場勤務
時代に衝撃を受けた試合であります。



【Japan Cup 1996】
A・モナチェリ選手(長髪で大きく曲げる
 ハイ・バックスウィングの選手) VS
D・オジオ選手(短髪でタイトなラインを
 丁寧に投げるオーソドックスな選手)

この対決を見て、ビックリしました。


http://ameblo.jp/nabechalin/entry-10901062607.html


前回の第6回で、

『ボウリングはマイボールを持たなければ
 その競技としての魅力は到底分らない』

『(指にピッタリした穴のボールで手のひらで
 押し出し)先に親指が抜けて
 中指・薬指が引っ掛かるようにして
 ボールに回転を与えられる。』

という主旨のブログを記しました。



実際には、

①『先に親指が、抜・け・て』
というタイプと 

②『先に親指を、抜・い・て』
というタイプの

2種類がいます。


後者が、アメリカンスタイルなプロに
多く存在していて、1996年当時は、

『あんな強くて回転するボールは
 外人だからできるんだよ。
 日本人じゃできないんだよ』

と私の考えをよく否定されたものです。



しかし、どうでしょう?

15年たった現在、若い世代には多く
この『親指を(自分で)抜く』タイプ…

【ローダウン】という技術を身につけて
いるボウラーが沢山出てきました。



【ボールを手首で抱え込んだ状態から
 レーンにこぼし叩きつけるリリース】


ようやく一般的に認知されるまでに
なりました。


冒頭の映像の頃はまったくと言って
良いほど日本には認知されておらず、

やれ 『手首が強い外人ならでは』
やれ 『日本人は真似できないよ』

と言われ続けていましたね。



私は今でも 【ローダウン】 が正しい
とは思っていません。
単なる技術の一つであって、結局スコアを
競う競技である以上、アベレージ・スポーツ
という観点から 【一定動作の反復】を
各々が制御出来ることが前提です。


よって、『親指の抜け』まで制御せず
助走とスイングのバランスとタイミングによる
一連のフォームで投げるタイプの方には、
それなりに攻略方法があるというのが、
ごく当たり前だと思います。


しかし、『親指を抜く』ことを制御する
【ローダウン】 には、より各々が積極的に
自在にボールのスピードや回転、
そのバランス、そして投げるライン取りと
ボールの性能の関係…

例えば、オイルが沢山塗られていて回転が
必要な時や、反対にオイルがないために
回転を与えつつも手前を走らせ、
フックを遅らせるような技術やボールの
選択の余地…


そういう奥深い面まで『自己責任』で
技術管理し、スコアにつなげていくスポーツ
として、プロフェッショナルな要素が
【ローダウン】 という技術に集約
されていると考えていました。



難しい話なので、まとめます。

再び映像をご覧下さい。




1:30 付近で、オーソドックスなタイプと
目されていたD・オジオ選手がいわゆる
【ノー・ヘッド】 という
ストライクのポケットに対して反対側
まで曲がってしまった投球があります。

直後、1:40、 ボックスに戻って
オジオ選手がリリースの確認を
しています。


【手首で抱え込んだボールを手のひら
で押しながら、手首を下方へ解放し
 ボールをレーンに叩き転がす…
= ローダウン!?】

こんな感じのアクションをします。


この時、

『あ!!! モナチェリのように派手に 
 ハイ・バックスイングで肘まで曲げて
 ローダウンしなくても、手首だけで
 ローダウンはやっているのか!!!!!』

と、感動したものです。


つまり、普通にオーソドックスに投げて
いても、アメリカのトッププロは
自分で回転やその性質をコントロールし
リリースを『自己責任』でやっている
と確信しました。


そう、お題に記しました
【教科書的】な一連の助走&フォーム
からも 【個性的】 と思われるリリース
【ローダウン】 をやっていることに
気付いてしまったのです。


アマチュアではない、プロの選手の
真髄を見た感がありました。



日本でも今やアマチュアだけでなく
プロでも 【ローダウン】 は増えました。

リリースを自在にコントロールし
コンディションに対する適応能力の
幅や選択肢を増やしています。


もちろん、アベレージ・スポーツですから
それに伴うリスクもあります。

しかし、あえてプロとして個性的で
しかもアマチュアでは磨けない領域を
追求しようとするその姿勢は
素晴らしいと思いますし、


また、今、そういうプロが増えたこと


それは業界に関わった人間として
大変嬉しく思います。



次回は、もう一度今回を踏まえ
球質とライン取りの関係性について
述べたいと思います。

あくまで、予定です…