http://www.news-postseven.com/archives/20110423_18277.html
中国の原発でも隠蔽体質の当局が放射能漏れ事故隠していた
日本の大震災と原発事故は、中国・香港でも大きな関心を集めている。チャイナウォッチャーで国際教養大学教授のウィリー・ラム氏がレポートする。
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東日本大震災で国際的な支援の輪が広がる中、香港の人々の支援運動が熱を帯びている。ジャッキー・チェンが発起人になって、チャリティイベント「愛は国境を越える」が行なわれ、映画スターや歌手ら300人が参加して会場を盛り上げ、2億7000万円もの義援金が集まった。香港の人々は日ごろからクールで他国のことには関心がないと思っていたが、このような熱い支援活動や義援金の額には正直驚いた。
ただ、やはり香港人らしいと苦笑したこともある。それは、塩の買い占め騒ぎだ。福島第一原発の事故で、塩が放射能を防ぐというデマが流れたため、香港の人々が塩の買い占めに走ったのである。
デマかもしれないと思っていても、香港人にとっては深刻にならざるを得ない事情がある。香港から約50㎞東方の大亜湾には大亜湾原発と嶺澳原発の計4基の原子炉が稼働しており、しばしば事故が伝えられているからだ。最近では、2010年5月以降で3件もの放射能漏れ事故が報告されているが、原発を管理している中華電力では「市民への影響はない」として、事故公表はいずれも発生から2週間以上が経過していた。
これらの事故が明らかにされたのは、大亜湾の原発で生産された電気は香港で消費されることから、香港の会社も原発の管理に携わっており、香港政府に事実関係を報告したためだ。
しかし、中国の原発は国有企業が管理しているため、「事故はしばしば隠蔽されている」と指摘されている。例えば、香港紙「明報」は2008年9月、「江蘇省の田湾原子力発電所で08年8月末、変圧器が爆発す
る事故が発生した」と伝えたが、当局は「爆発はなく、放射能漏れもない」と同紙の報道を否定した。
※SAPIO2011年5月4日・11日号
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香港周辺に生きるほうが
命懸けのような
気がしますね。
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http://www.news-postseven.com/archives/20110423_18067.html
「放射性物質は食物連鎖で濃縮されない」と水産庁担当課
すでに茨城県沖や福島県沖のコウナゴから基準値以上のセシウムが検出された。海の中は何段階もの食物連鎖が起きており、生物濃縮が起きやすい環境にある。かつて有機水銀によって引き起こされた水俣病の例もある。
しかし、水産庁による調査・研究「水産生物における放射性物質について」によれば、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、ウラン、プルトニウムなどの生物濃縮は「ほとんど起きない」と結論づけられている。
31種類の魚類を調べた研究では、セシウムの海水中濃度と魚体中濃度がほぼ正比例することがわかった。具体的には、1990年から1999年までに、海水中濃度はほぼ一定割合で減り続け、9年間で約33%減少した。この間、魚体中濃度も一定割合で減り、9年間で約40%減少していたのである。
これは食物連鎖による生物濃縮が起きていないことを示唆しているが、それはなぜなのか。水産庁増殖推進部研究指導課に聞いた。
「海水中の濃度より生物中の濃度のほうが高いという結果なので、一定の濃縮は起きています。しかし、食物連鎖でどんどん濃縮されていくというメカニズムは見られない。PCBやDDTなどの生物濃縮が問題になる毒物は、魚類の脂肪に入り込んで体内に留まるが、放射性物質で長く体内に留まるものはないことが調査でわかっています」
この仕組みは貝類なども同様だという。また、海草については研究が進んでいないが、今のところ一部の検査で微量のヨウ素が検出されている程度で、危険な物は見つかっていない。
別掲のデータ(※下記参照)は、毒物が海産魚の体内でどれくらい濃度が上がるかを表わす「濃縮係数」である(海水比)。セシウムの「5~100倍」は高い印象があるが、PCBの「1200~100万倍」と比べると確かに低い。ただし、前述のように濃縮されないわけではない。
●海産魚の濃縮係数
ストロンチウム 0.03~20 *1
セシウム 5~100
ヨウ素 10
ウラン 10
プルトニウム 3.5
水銀 360~600
DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)
PCB(ポリ塩化ビフェニル)
*1は『環境における放射性物質の生物濃縮について』(1973年、東京大学農学部・清水誠)より。
その他は『水産生物における放射性物質について』(2011年、水産庁増殖推進部)より。
※週刊ポスト2011年4月29日号
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情報操作はない
ですよね?