トイカメラって、ご存じでしょうか?
iPhoneアプリでも同名のものがありますが、
読んで字の如く、オモチャのようなカメラの事です。主に、安くてチープ
な作りがら、何とか撮影は出来るフィルムカメラをさしています。ロシア
製の「ホルガ」や「ロモ」というカメラから始まった、カメラのジャンル
です。
使った事がある方も多いでしょうが、当初これらのカメラは「不良品」の
一種でした。だって、まともに撮れないんですよ。レンズは暗いし、光り
が漏れるから、撮影前にフィルムは感光しちゃうし。
でも、撮影した写真の中に、たまに「おっ、なんか良い」ってのがあった
りします。これが宝探しみたいで結構楽しかったりする。デジカメ全盛の
中で、わざわざ現像する手間をかける価値がそこに見いだせる訳です。本
当に人間にとっての「楽しさ、美しさ」は難しいですよね。
ホルガを称して「唯一の生きたカメラ」と言われた事もありました。
まあ、カメラはスペックだけじゃないんだな、とつくづく思わせるエピ
ソードなわけです。
ところで、iPhoneのカメラのスペックは、
200万画素(1600×1200ピクセル)で固定フォーカス
(パンフォーカス)。露出、ホワイトバランスはオートのみ。
マクロは撮れないし、手ブレ補正もないとかなりけちったスペック。潔さ
を感じますが、これは日本の携帯のスペックがオーバーなだけという考え
方もあります。外人は、携帯のカメラにそれほどの機能は求めていませ
ん。
メールに添付して送る場合は、自動的に「800×600ピクセ
ル」にリサイズされて送信されるが、それ以外はサイズ変更は不可。
実際、撮影してみると、本当に使えない。すぐ手ブレするし、ピンは荒
く、カメラの特徴もない。ポートレートの撮影にはなかなか良いのです
が、無限遠はピントが甘く、風景撮影には向いていないようです。
撮影条件もトイカメラと同様に、「明るい屋外」が基本で、屋内撮影で良
い写真は厳しい能力です。でも、「良く晴れた陽射しの下、我が愛犬を撮
影する」機会より、「飲み屋でチーズ」の方が断然多いので、iPhone
カメラで良い写真は撮れません。
「携帯のカメラはメモ代わり」なんて言ってる人も、フォーカスが文書撮
影にしては離れ過ぎなので、使えません。
しかし、ユーザーってのは恐ろしいもので、「使えない」なら使えるよう
にしようと、怒濤のような数のカメラ用アプリがリリースされています。
2009年1月29日現在、カメラアプリは350を超えてお
り、他のジャンルのアプリに比べれば遅いながら、着実に数を増やしてい
ます。
このようにiPhoneは、人類史上最大のバリエーションを供給された
カメラとなりました。iPhone自体も1000万台以上売れてます
ので、カメラ数も世界最大のトイカメラでしょう。
このような改良により、iPhoneのカメラはよくも悪くも「いじりが
い」のあるカメラへ変貌しました。それも、敷居はかなり低く設定されて
います。トイカメラが女性に受けていた事を考えると、この辺も大切な点
だと思います。
iPhoneはカメラの新たな楽しさを万人に知らしめる可能性を秘めていると
思います。今後、暫らくはカメラとしてのiPhoneを見ていこうかと
思います。