11月2日にドイツを出立してから、
満足に瞑想する暇もないうちに20日間がすぎてしまった。
無事に、しかも、真新しいMacBook Airを駆使しているという、
晴天の空の下、
昔、なんとかいうタレントが「ありが〜たやありがたや〜」と
何というか、締まりのない笑顔で流行らせた、その歌詞がことあるごとに、
特にうまく排出を済ませて世界に冠たるウォシュレットを使うたびに、
その一節が流れてふ、とか笑っている。
ここまでの、神さんの手に如何に翻弄され続けてきたかの顛末を
思い出せる限りおさらいしてみよう。
*ノル氏、父へ怒っている息子への愛と痛みの間にいて
睡眠不足にも拘らず、よく付き合ってくださり、
心ばかりの御礼を受け取ってもらう。
*前日にドキドキしながらもうまくネットでチェックインできて、
あれこれ不確か、不如意にも拘らず16Kの座席にシットイン成る。
窓際だったんだ。
隣の若者へ、お婆さんらしく「何しに日本へ?」と尋ねる。
「1週間、筑波あたりに、同僚の休暇代理で仕事をしに、」と言う。
「大学関係ですか?」とまた質問。
ZOZOTOWNと言うファッション関係、ですって!
「まるしかくメガネのあの方ですね!」 「いや、何のことかわかりません。」
夜に突入、窓にはシャッターが。
どうせ眠れないので、少し上げて外を見る。
眼下には白い雲がある。
その上、漆黒の中がやたらと光っている。
びっくり仰天して、どの窓もしまっているのにお構いなく解放して外を見上げた。
やたらとでかいオリオン座が、ガンッと言う感じで視界を占めていた。
こんな強さと巨大さ、ありえない!
例えば砂漠の夜やアルプスの星空、とか凄いらしいが、
あたしと光との距離感が、こりゃ違いすぎるのではないか?
そうか、ここは高度2万フィートだろう。
どの国の上空を飛んでいるのか情報は全くないが、とりあえず、
ほとんど地球の渚、大気の限界を飛んでいるかも。
宇宙に最も近いところから、宇宙を直に見ているのだ!
宇宙飛行士は別として。そう思っておそらく血圧が上がった。
これまでも見たはずだが、この事実には思い至らなかった。
若者に言いたかったが、彼は眠っていた。
(幻像としての宇宙を感激して見ているわけだけれども、全一システムの鏡像としての実相の実在を、さらに反映したこの幻像界とはいえ、せめてもの相似はきっとあることだろう。特にこんな場所では。)
*その後、無事にKGとゆうりに出迎えられ、
その夜は待望の回転寿司を食べた。くら寿司だった。味の良し悪しはあまりわからなかった。
次の日にはスーパーで物価の高さにショックを受け、
その後はラーメンだった。餃子も注文した。
たまごごはん、納豆、豆腐はもちろん制覇した。
*孫の趣味に付き合って、なんとかランドへも参加。
しかしその夜から、両脚が腫れてしまっていた、
腎臓の疲れだと思ったのは若い頃から腎臓が弱い感じがあったから。
同時にまるでJBの呪いのように感じた、まさかと思いつつ。
朝起きると、心臓が重たい。そうか、心臓から。
これはまずい、結局旅行保険には入れなかったのだがどっちにしろ変わりはない、まずいことには。
市販の薬や靴下などで対処するが、眠れないのもまずい理由だ。
眠れない理由は色々ある。
幸い、一晩ぐっすり眠ったところだいぶ回復していた。しかし
ここまで来てなお、この先が未定である。
これからどうする。これほど決定することに無能だとは我ながら驚く。
*せいぜい、他人の動きに反応すると言う契機は与えられる。
学友ヒーサの寡夫クリスが思い出の日本の旅として
あの体で自転車旅行していたのだが、ちょうど従姉妹の聖子ちゃん近くに来たと連絡をくれた。
(お互いにメールは使える。電話もSMSもダメというSIMカードしか買えなかったあたしには毎日が不安でドキドキとなっている。5年前のスイカがどうにか使える、しかし何かを予約するのが心許ない。)
ともあれ、万能クリスがドローン撮影するというのに付き合う羽目になって面白かった。聖子ちゃんの自家製野菜をたっぷり食べた。
二人は英語で喋るのを、あたしは耳も聞こえないのでもう任せておいた。
海を見た。豊かな空と山を感じた。
*高橋夫人とはとうとう会えずじまいで残念、ヤンとゆりかにも都合が合わなかった、それぞれ近くまで来ていたけれども。
*さあ、あたしはどこに居を定めるべきか。
誰に聞いても息子家族との同居は勧めない、もうそんな時代じゃない。
しかし、この場合老母ではあれ、近くに住む必要はあるとわかる、
これも他人の動きと事情に応じてあたしの行動が決定される、その事例だ。
*ミニマリスト的狭小アパートのネット検索はしているが、こんなことがあった。
バスから降りるべきところの一つ前で、
ドアが開くやシックという美容室のドアが見えた。
即、降りる。決心と行動の素早さ!
中年だが美しい美容師が、「隣が不動産屋ですよ、ほら、目の前の家だってアパートですから。」
日本の美容師体験待っていました、
数センチ切ってもらったのみなので今なお短髪オババです。便利すぎて。
*とりあえず、隣へ行ってみる。
中年だが美しい不動産屋が、三件見せてくれ、後日内覧させてもらう。
分かってはいたものの、
20平方以下なのは当たり前としても、
安い古い臭う、隣まで1メートルくらいしか距離なし、景色なし、
しかも階段二十段あり、そこに至るまでも坂道、というこの地域の特性、
あまりにも集中している、
あたしのこの心臓と腎臓と脚で、どこまで持つか。
哀れすぎるかなー
と、自分の気持ち、情勢、老齢借家人への家主の思惑、また変数が多すぎる。
嫁さんが戻ってくる可能性だってある。
*不動産屋と押したり引いたりしながら、同時に、コロナ接種で身動きできなくなった家族の介護中、
少し離れた地域で、ライオンズマンションの狭小部屋が
信じられないほどの安さ、便利さ、清潔さ、階段なし、エレベーターあり、で
見つかった。喜んでメール出しておく。一も二もなく。
内覧の23日が運命の日、か?
*また一つ、他人の行動があたしに新たな影響を与えるべく送られてきた。
歌友に12月1日、訪問客あり、
同日あたしの次男が熊本から上京する、ヤンが九州へ向けて南下し始める、
熊本の智子さん8日に上京。
呆然としている。
KGは、「いずれにしろ無理して倒れないでくれ」という心配をしている。確かに。それが今は最も忌むべきことだ。
ただ、熊本唯一カプセルホテルの女性用ソールドアウト、
誰も彼も超多忙だ。
*そしてあたしのネットのIDや携帯電話番号や暗証番号や、
一体どんな仕組みで絡んでいるのかいないのか、完全に不明である。
新しいコンピューターに変わったこともあり、
デジタル世界であたしが誰なのか、まずそれがわからない。
そこには二重の姓名、二重のIDを長年引きずっているが故の手の打て無さが絡んでいる。
さあ、神さん、どうしましょう?
全ては最高最善である、全てを愛してしまおう。
*そう言えば、「三体」というSF小説を読み始めた。中国人作家のヒット作という。そこではただの異星人なのにそれを神と崇める地球人の救いの無さが描かれているようだ。
WiFiで繋がる部分は大丈夫らしいので、頼ってみよう。