(断章 新年劇場 地上で浄土生活)

 

   「元旦 すでに号泣する」

 

初日の出とは縁もない あたしの小さな窓辺で

瞑想していたわけではない

いつの間にか 母がたくさん縫ってくれた着物に思いがいった

それが一つもないこと 引越しするうちに捨てたことへの強い惜しむ気持ち

まずそれ

それから父に対し その愛を軽んじる結果になった自分への罪悪感

それがぐっと湧き出てきた

 

段ボール箱の仏壇の 写真を見て そこにいるすべての人々

みんな みんなのあたしへの愛を 

ないがしろにして感謝も報恩への気持ちもなかった

 

後悔とすまなさの気持ちで 珍しい位の強さで泣けた

しみじみとそれを感じた 左胸の一部が痛かった

それから濡れた眼で写真を見直した

みんな みんなの眼に 笑いが浮かんでいた

それでキチガイオババが ケラケラと泣き笑いした

愛と赦しが感じられた

 

どんなにか こんなにも愛されていたのに 冷たく無関心だった

ごめんなさい

それからこの罪悪感を天に返した

正月早々何たるありがたさ

 

そういえばその前の瞑想で感じたこと:全てが一つに溶け合った大幸福の感じ

の端切れ

 

 

 

   「仕事初めはこんな風に」

 

確かに道の舗装は 修復だらけで平らとは程遠い

けど

今日はよくけつまずく、お、トト、またぁ 何いったい? 

あるとも言えない小さな段差が見える、あれに躓いた?

もう何回目? せっかく脚の痺れも起こらないんだから頼んますよ!

馴々しく神さんに文句をつける錐子オババだ

 

新年の仕事初めのP銀行もうで

ATMで通帳印刷させて亡夫の口座からの送金確認

家賃を払ってうまく暗証番号入れられて

ほくほく という感じで外のベンチに陣取るが

アレ? キャッシュカードどこ?! 

〜〜必死でポーチを引っ掻き回し見回すが

いつもの場所に、ここにあって欲しいのに無い、最悪だ

ひどい、誰のいたずら! 誰のちょっかい?

数瞬のち どこからともなく視線に指令が来ていた

あれ? いつもの場所に裏返しになって入っているじゃない!

そんな〜〜!

 

数時間のち自室で

アレ? 通帳印刷の紙がバッグに入ってない?!  

〜〜必死で帰宅後の行動に従い見て回るが 

忽然として消えている 確かにバックに入れたでしょ どこかで落とした?

最悪 もう嫌だ どうしてこうなの?

数分のち 理由もなく思い出す 

あれだ! 母の手製の小ダンスの引き出しに差してある

あたしってアホ?

 

日曜日に初カフェしたら

あたし何だか得意な気分 ファンタライトこの前あげたからサービスいいかな

でもナディア いつも通りだ

あ そうか それもそのはず! 幸いにも気づいた

雨だったので予定変更 シリア人にあげたのだ ウクライナ人じゃなく

 

こんな話 おばあさんじゃなきゃ書けないよね

 

 

 

   「禍福が糾える縄の如し だと思い込みすぎていた」

 

物事のこんな例え方はもうやめたほうがいいな

禍福は同じ太さの縄じゃない、必然的に繰り返すものでもない

古人が そう考えただけ

あたしもこれを信仰して受け入れていた そして真面目に苦しまされた

これはもうやめます この捉え方は一方的すぎる 悪い影響を与える

 

苦労のように見えるものも もはや楽しむのみ

坂道 石ころ 横棒 遊びだ 退屈しのぎだ 悪戯っ子だ

神と一緒に楽しみ喜ぶ これこそ幻像界の全ての意味

そのほうが善い影響を与える

 

朗らかに仕事しよう 目の前に流れてきたことで遊ぼう

気をめいらされる理由は全くない あるように見えてるだけだし

これまでもいつもそうだったじゃない? JBの三悪にして然り

 

幻像人間 無尽大の意識界の中で 意識がとらえどころがなくて孤独

例えその奥に 尊い実相があるとしても

まさに天上天下唯我独尊みたいで 何か寂しい

しかし実相型はお互いに遠くない 隣同士だ カエルの卵のように!

 

幻像人間錐子の 絶対の自由意志として 真理の光による光明化促進行為

その力の凄まじさに驚かされた そこで悶えていた苦悩がポッと

無きものとなる凄まじさに

協働者純正錐子さんと 握り合っている手が一つに溶け合った

 

こんなことでは一向にいわゆる瞑想状態には ならないのだけど