断章 地球に生きる者

 

「心静かな晩に・・・・」

 

グレゴリオ聖歌をラジオで聴きながら

しばらくして

ああこれは読経の音だな と思い至る

 

外では

雪解け水と雨水とが朝の景色をまた変える準備をして

空では

新月を前に繊月はもう完全に闇に潜り込んでいるのだろう

 

ああしかし 人間の心の流出つまり神への訴え それが聖歌なのだ

やはり仏教とは態度が異なるようだ

 

明日は冬至だろうか

 

明け方珍しく夢を見た 子供たちに会うために不条理の世界で走り回っている

これまで無数に見た 全て徒労の夢

 

ああそうか ここにあたしの罪悪感がまだ揺蕩っていたのだ

人を苦しめた罪が 

それを握りしめて 自分を許さないあたしが

 

「あなたに罪はありません」と

聞こえたあの瞬間に わかったはずなのに

あたしの「罪」ですら 実は幻影だったのだ

罪など犯していなかった そうでなければ許されるはずがない罪が

 

捧げる

この心情を 両手に抱えて 捧げる

名付けられぬ無限のものに向かって

存在と非在の境の その蠢くシステムの その織りなす かそけき網の目に

浸りながら 

 

圧倒的な 真理の光に 影も消えてしまう

この単純さ

このシステムの ああなんというありがたさ 慈愛の極み

 

この慈愛をしっかり知るために 幻の罪、痛み、恐怖、不安、死が

与えられて あるいは (世に言われる如く)それを自分で決めて

地球にしばらくを暮らす 人間なのか

 

 

 

「進化系瞑想次第」

 

生きとし生きるものを生かしたまえる隠身の もとつみたまゆさきはえたまえ

 生きとし生きるものを生かしたまえる隠身の もとつみたまゆさきはえたまう

ーーと息を吸う 指を組んで網の目を模し その広がりに幻像の自分を投入 一体かつ透明となるーー

 

ーー息を長く吐きながら 自分に 近親者に 友人たちに 全生命に光を照射 

  さらに全世界 全時間 全地球に散らかっている黒いリボンを回収消滅するイメージーーー

 

 我らが実相完全円満 金剛心身 久遠なり 々 々 々

ーーーこの時に次第に 純正錐子さまと両手を握り合う、幻像錐子 次第にくっついて行くーーー

 

 

 

「守護天使をたくさん地上に任命かつよろしく頼む」

 

法律と社会の壁は 硬くて冷たいが 道ゆく人にも無視されるが

 

両親とヒロくんと祖先はもちろん 

旧友 級友 ママ友 歌友 弓友 夫たち 従姉妹 棒師範 大家さん 隣人 セラビスト 銀行員 整体師 美容師 薬剤師 タクシー レストランオーナー 肉屋のおかみさん 若い先達たち

ああなんてたくさん、数え切れないな 優しげな人を全員 

勝手に任命する

 

ところで

この間亡くなってあたしに仕事を全部押し付けてずるいソウルメイトのJBの

名札が出来上がったのだけど

みているうちに これをお墓のそばに取り付けるの 可哀想 

どこまでも持って行こうかなと思われてきた

 

翌日

何気なくそれをまたみた時 JBの声がそこからした

「いいから邪魔するな」

だって

あたしは爆笑 それを棒師範のラファエラ に話して二人で爆笑した 

 

 

 

「ラファエラ の知恵」

 

どこかの国の悟った人が

伽藍の修繕をさせていたとか

ちっとも捗らないが 泰然としている

周囲が もっと急がせたらどうです?

もう ちゃんと済んでるよ

えっ 天井も窓もない 柱が立ってるだけですよ

今日の分の仕事は済んだ

一日一日 捗って済んでいるから できたも同然だ

 

できたも同然だというのはあたしの解釈だけど

泰然として というところが味噌よね

現実ではそりゃ 計画や順番をおそろかにはできないけど

別にピリピリすることない わけではある

 

銀行員って そんな修行でもするのだろうか

みんな

「大丈夫大丈夫ちゃんと進んでいます何も心配しなくていいですよ」と言う

あたし 大ポカはしたけど

ちゃんとそれに気づくようにできてたんだな 確かに

 

今日はだいぶ

ゆっくりできた  空を見上げて

ぼんやりできた  純正錐子さまにくっついていよう

あたしなんて自分が見る幻だもんね

そう思うと 楽チン

 

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