一生に、一年に数度あるかないかの記念日の

その概念を一気に風船化してしまった俵万智(私見にて)

幻像錐子にもふと降ってきたよ 新奇な概念が、どんな記念日?

 

「毎日が受け取り記念日」

郵便受けを見なくても注文してもしなくても、思いもよらぬより良きものが

届けられるとはネー

 

10月の残りの数日中は、情報多彩にわたり、その意味的なシンクロに泣いたり笑ったりが続きながらも、錐子オババ の現世の仕事はそれなりに捗っていった。

 

27〜28日 

1。ドイツ滞在許可に関して、錐子オババ は難民と同じ条件になっている。ドイツ人との結婚が軽視される時代となっていた。(30年前はそうではなかった)

 

未亡人となると帰国、という事態には普通のドイツ人たちも信じられないという反応を示すのだが、数人からそんな難民の問題に関わる一人の人物を教えられた。

なのだが、電話すれども通じない。毎日電話するしかない。

 

2。日本とドイツとにいよいよ相続証明書(遺産証明書は多分間違った訳出)が遺産裁判所より届いた。

これは即刻、銀行に連絡、送付する。

ただし同時に遺産明細書を期限内に提出するべし!(これは役所が徴収する手数料を決めるためのもの)

ところが

H銀行のマント氏が休暇中である上、コピーして送るにもマインツまで行かないと支店がないという信じられない事態である。

代理は役立たず!

 

週末は無為ーーー31日月曜日

マインツまででかけ、敢行するもちろん。成功。

P銀行には直接出向いて、相談役のクレーマー夫人を捕まえることができた。

相続証明書のコピー完了

しかし遺産明細書を書くために必要な、肝心の口座残高を、どの日の分を印刷すべきか、彼女は知らないという(死亡日の分か口座が締められた日か)、そして相続電話係なるところに電話しろ、と。

専門部署があるのなら早く教えてよね!

 

3。もう一つの懸案、亡夫のPCをどうするか。

アカウントが以前から使えなくなったままである。マインツの専門店で曰く、それは本社に電話してください。

本社に電話するといろいろメールやりとりあった末、銀行が要求したのと同じ書類全部出したらアカウント消去?可能だということ。

水にでも突っ込もうか??

 

要するに、待ち状態だがそこまできた結果でもある

 

それでも、少々のプレゼントはもらった、このため錐子オババ の笑顔が絶えない。

 

花丸1 JBと自分のスマホにあった無用のアボを意外に簡単に消去できたこと。

花丸2 珍しいことにダ・ヴィンチというイタリアンに入ってみた錐子オババ が見たものは、着飾った老婦人たち紳士たち、それに白と黒のシックなイタリア人給仕、新鮮なサラダ、完璧なサーヴィス、であった。おまけに2歳ほどの幼女が、両手でスパゲティを食べているのに目を奪われた。田舎町とは別世界だった。

花丸3 何よりもマインツまで出かけて無事に帰ってこれた、これにも感謝。

 

11月1日火曜日

花丸1 仏陀の言葉「苦に満ちた人生」の意味が初めてわかった。

そんなことを言って澄ましていられても困るのだといつも錐子オババ は思っていた。曰く、人間心理にとって苦に見えがちなこの世の事象は、見方を変えれば正反対の事象になる。そこに修行もあれば、一瞬の飛躍もある。そこから愛に移ることが可能になる。

花丸2 亡夫の合気道用具が部屋の3分の1を占めていた。

この地の合気道家に連絡すると、喜んで引き取りに来てくれた。

その電話がほとんど2か月待ったこの日に鳴り響いた。

喜んで階下におり準備する時に、テレビもつけた。

花丸3 すると今回もドラマルシファーが放映されていた。

何度もそうだったように今回も偶然の一致から、これを見ることができるようになった。その俳優が亡き長男に似ているのである。

花丸4 健康保険会社KKHから本年度の料金が通知された。つまり錐子オババ 苦心の収入計算書が受け入れらたのである。これで安心。

花丸5 ウクライナ人ナディアの店で、彼女にそっくりの弟とその家族らと微笑を交わしあえた(言葉が通じない)。

ナディアの子、孫、を入れて子供たち1ダースにJBが残したチョコレートをプレゼントする、ハロウィンでもあるので。

花丸6 上弦の月を発見、小山にかかっていた。白じろしていた。スマホで撮れないのが残念な錐子オババ は必死に目に焼き付けておこうとする。
 

 

11月2日 火曜日

重大な事項ばかり、足踏み状態ではあるが堪忍あるのみである。

 

花丸1 大っぴらな片付け問題が合気道家ノル氏とヤンの二人で見事に片付いた。

知り合いに長刀、テコンドー、その他武道好きがいて、全てを喜んで持っていってくれた。

ヤンというのっぽの若者の方が、建物に入る時靴を脱いだ。

普通ドイツ人はそれを嫌がるので、そのままどうぞ、と錐子オババ が言っても、すぐに脱いでしまう。

花丸2 それもそのはず、彼はそれに慣れていたのだ。妻が日本人だという。

何というビッグプレゼントだろう。この町でたった一人の日本人だと思っていたのに、最近増えていたのだ。

そして農家である彼女の実家から送ってきた米を少し持ってきていた、錐子オババ へのプレゼントとして。その白さが目にしみた。

花丸3 密かな片付け問題:徐々に消えてゆきつつある。

 

 

11月3日 水曜日

朝、棒術稽古に行こうして発見、ポストにKKHからの手紙があった。

何と「まだ収入計算書を出していませんね」とある。昨日までに提出しなさいと。

ま、まさか、真正の神さん、純正錐子さん、なんてことをするんです!!

と思わず問い返した。

取り敢えず、メールをと「紙類を送るべきですか?」と外でしたためる。

花丸1 するとしばらくして、謝罪はないが「オンラインだけで十分です、紙類は不必要」と返事がきた。ちょうど寿司屋にラファエラらと陣取っていたところなので、この言葉はどんな意味?と尋ねたりしてほっとして過ごした。

 

その後は無事に時が流れている。

手が冷たいので湯たんぽを入れ、ポットに熱いティーを入れたのだが、どうしたことかティーは冷たかった。湯たんぽは暖かい。

神さん、変なことするわね、などと錐子オババ はニヤニヤしている。

 

さらに、ニヤニヤを通り越してクククと笑い出した。上記のメールを送る時口述筆記させたのだが、メールの最後に日本語なら「取り急ぎ」にあたる言葉を発話したところ「侮辱されて」が出てきた。侮辱された錐子オババ のメールにならなくてよかったのである。

ラファエラ が指摘したところでは、取り急ぎ、という意味で使ったドイツ語が的外れだったので、AIがまさかと思って侮辱に切り替えたらしい。

笑う理由が二つもできたのでこれも花丸としよう。

 

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1029 パソコンを切る瞬間に明日になり 笑ひてゼロの羅列見送る

暖冬の気配となりし神無月 羽虫消えねば殺生あまた

一ミリの機械仕掛けの羽虫たち 殺したくないお願ひ消えて

1030 喜寿の日々できうる限り為すことの 則に従ひ美しきかな

寡婦としてカフカの史の簡素さの金字塔立てむトーテムポールを

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