ロシア検察庁が、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長をはじめとする9人について、オランダ当局に身柄の引き渡しを求めました。赤根所長はアメリカからも標的にされてきた人物です。
これに対し日本政府の高官は「ICC関係者を狙った措置は不当で容認できないと、何度もロシア側に伝えてきた」と説明。それでも各国に引き渡しを求めたことを「遺憾」としました。
整理するとこうなります。裁判所が逮捕状を出す。出された側の国が、今度は裁判官に「引き渡せ」と迫る。しかも別の大国からも圧力がかかっている。国際司法というより、もはや東西から挟まれた綱引きです。
そして日本の切り札は、おなじみの「遺憾」。外交の世界では重みのある言葉なのでしょうが、相手が書類一枚で国際機関のトップを「容疑者」扱いしてくる時代に、どこまで効くのかは正直わかりません。
「法の支配」を掲げる国々が、その法を担う人をどこまで本気で守れるのか。試されているのは、ICCよりむしろ加盟国のほうかもしれません。
