はい、今日は理系な話
最近の弐寺のイベントでTOMOSUKEさんが
「龍と少女のデコヒーレンス」という曲を描いたと
風のうわさをききまして筆を執ることにしましたw
こう見えても一端の理系人間ですので
デコヒーレンスについて熱く語ってみようかなと思います
量子という学問はある意味では最先端な学問でして
これをまともに分かる人っていうのはうらやましかったりもしますw
なお、私は量子力学の専門家ではないのと
分かりやすいように噛み砕きまくって書きましたので
専門家の人たちからみたら
突っ込みどころしかない代物だと思います
なので、あくまでもこんな世界だなぁと
大雑把に楽しむもので頂けたら幸いです
もし、間違い等がありましたらコメント欄の方に記載をお願いします
さて、今回語るのは「量子力学」と呼ばれる世界の話
量子力学というのは原子の働きを考える上でできた学問です
19世紀初めのころ大まかに作られたもので
比較的新しい学問のうちに入ります
原子の粒を考えるときに今までの物理の世界(古典力学)では
どういっても上手く説明できないことが多いのが問題でした
そこで、細かすぎて伝わらないものを
説明できるようにすればどうすればいいか?と
偉い学者さんたちが新しく考えた結果が
量子力学と呼ばれる学問
デコヒーレンスというのは
この量子力学の中の一つの用語としてあるものです
で、この量子力学の量子についてざっくばらんに書くと
原子とか細かく切っていくと電子とか電荷とかが現れます
これそのものはエネルギーなので細かく千切れないものです
しかし、2倍、3倍とある値で比例することが分かりました
これを量子と呼ぶようにしました
言い換えると量子はあるかける値や割る値が決まっているだけなので
量子そのものの姿はでっかくなったり縮んだりしてても
同じ性質なものというイメージです
そこが普通の物体と違うところで曲者でもあります
後の研究で量子というのは波の性質をもつ物体なのが分かりました
オーストリアのシュレーディンガー(Schrödingers)というおっちゃんが
この波の性質がある方程式(波動方程式)を見つけ出しました
{-(h/2π)^2∇^2/2m+V(x)}ψ(x,t)=i(h/2π)∂tψ(x,t)
・・・はい、わけがわかりませんねw
これは難しい式なので解説は端折ります
後にシュレーディンガー方程式と呼ばれるようになるこの方程式は
量子力学の基本となる方程式となっていきました
理系の人なら物理の時間でさんざんやらされた
「F=ma」(ニュートンの運動方程式)みたいな式と
想像してもらえば大体OKですw
シュレーディンガー方程式をこねくりまわしていると
量子の性質が分かってきました
それは、量子の粒がどの場所の位置にいるかと
どんな量子の姿(粒子の運動量)が同時にわからないというもの
どんな波の姿なのかはわかっても、
ぼわ~んと量子が空間に広がって位置が分からない
かといって量子の位置を特定するようにすると
波の形が細かすぎてわからない
と、まぁ量子はわけのわからない不思議なものなんです
もう一つこの式で注目することがあります
先ほど書いたように量子というのはぼやぼやした存在です
なので、量子そのものがどのように動くかは
確率でしか表せないというものです
例えば、Aが起こるのは1/2、Bが起こるのは1/2とすると
これが二つ重なっててどっちでもある!という考えになってしまうのです
これを量子力学の確率の話で「重ね合わせ」と呼ばれるもの
他の呼び方なら「コペンハーゲン解釈」とも言われています
普通の物理学の世界なら、
AならA,BならBどっちかしか決まって起こりますので
曖昧な状態が重なっている!という考えは
この量子の行先はどうなってんねん!と
喧々諤々の大論争へと発展し来ました
この決まるようで決まらないわけのわからない量子について
懐疑的な振る舞いに研究者ったちは悩ませていたのです
先ほどの基本となる方程式を見つけた
シュレーディンガーのおっちゃんは
起こるものは起こる、無いものは無い!と信じていた人でしたので
とある論文でこんなことを言いました
「頭の中で考えてみよう
ここに一匹の猫がいるとしよう
猫を大きな箱を入れておく
でもって、ここにあるのは猛毒ガス発生装置
量子の仲間である原子の崩壊に反応して装置は動くようにできている
もしもこの装置が動いたら
どんな生き物もコロっていってしまう危ないものなの
これも大きな箱にいれて・・・
外から見えないように蓋をしてぇ・・・っと
これでよし!
しばらく待っておこうか
・・・うんでもってあれからしばらくたったね
今はこの中に入っている原子は1/2の確率で崩壊しているはず
じゃあここで問題
この中に入っている猫さんは生きてる?死んでる?
中を見ないで答えてみてね
この猫は半分死んでいるの?半分生きているの?
そんなことはないよねぇ?!」
これこそ、「シュレーディンガーの猫」という思考実験のものです
念のために書いておきますと、
頭の中で考えた実験であってだから
実際に猫を使って殺すような実験をしたわけではありません
この猫を引っ張り出してきたたとえ話で
おっちゃんは何を言いたかったかというと・・・
細かすぎて伝わらない量子の世界の話(ミクロ)を
実際の世界(マクロ)に持ってきたらこんなことになったよ!
量子の世界では確率で決まっていて
どっちもあるんじゃない?とか言っているけど
この蓋を開けて確認しないと
生きてるか死んでいるかわからない猫ってどうよ?!
ありえなくない?!
・・・と突っ込んだんですw
これは量子を観察するときにぶち当たる壁で
計算結果で両方ありえる!と認めると
こんなことになっちゃうよ!という話になってしまうわけで・・・
なお、理系な方は「二重スリット実験」について
合わせてググると本質的なものに近づくかと思います
このシュレーディンガーの猫の話をクリアしないと
量子の世界を見るためには上手くいかないものもあります
で、あーだこーだとたくさんの研究者は考えていました
一つはコペンハーゲン解釈というもの
この猫さんは箱を開ける前には
生きているのと死んでいるのとどっちも言えなくて
箱開けて見る人の状態で
生きたり死んだりするんだよという話
もう一つは多世界解釈というもの
この猫さんが生きている世界と死んでいる世界が二つあって
箱を開けて、みる人がどっちにいるかがわかるんだよという話です
そして、このシュレディンガーの猫の疑問を解決するであろう
考え方の一つが「量子デコヒーレンス」というのです
(ようやく出ましたw)
コペンハーゲン派の考えの一つですね
デコヒーレンスは英語で「decoherence」と綴ります
否定の「de」に干渉するという意味の「cohere」がくっついた言葉
干渉するというのはたくさんある波が合体して
波が倍以上に大きくになったり全く消えてしまったりすることを言います
余談ですが、上記のとおりデコヒーレンスは
「デ」+「コヒーレンス」で分けます
デコがヒーレンスしているわけではないし
誰かに突撃かけてるわけではないんで念のためにw
妹は「(額の方の)おでこがヒーレンスしたの?」と
真顔で聞いてきましたwww
この考えた方というのは
波が重ね合わさってるには合わさっていますが
外から何らかの現象があって
ある一定の結果に向かっていくことです(波動の収束)
見方を変えれば、外からの影響が
波の情報を消しているという考えですね
この原因には熱源などのエネルギーが考えられています
シュレディンガーの猫でいえば
生きているか死んでいるかを重ね合っている状態を
パカっと蓋を開けて見ることによって壊していて
開けたら生きているか死んでいるかが決まっている
・・・といったところ
もしかしたらぬくぬくできる猫さんの熱源が
デコヒーレンスさせてたりもするんでしょうか?
ここのあたりはいまだ議論を交わされていて
はっきりとしたものが分かっていません
というわけで、デコヒーレンスとは
量子を見る人以外で起こる環境の影響によって
量子そのものが持っていた重ね合わせが壊れてしまうことをいいます
「龍と少女のデコヒーレンス」というのを量子の世界で解釈すると
龍と少女が重ね合っていたのが
何らかの影響で別の方向に向いて行ってしまった
という雰囲気になるかと思います
前作と言われている「量子の海のリンドヴルム」の龍が
このタイトルの龍であると呟いていたので
互いに別世界に存在していた龍と少女が
デコヒーレンスで混じり合うことになった
・・・なんていうこともありえますねw
ちょいと深読みして、
この量子を観察者が弐寺をやっている我々のことで
それ以外の要素で変化していってしまうとか
「いろいろあって大変なんだよ、このサカナやろう!」と
皮肉っているのかもしれませんねw
ムービーに関して言えばまだ見ていないので何とも言い難いです
とかく理系心をくすぐる曲名なのでした
あぁ、すっきりしたw