$na0の転がる石 苔まみれ

James Blake 『James Blake』 2011年6月8日発売
UICP-1126 ユニバーサルインターナショナル

このアルバムを一言で説明するのは簡単である。「本物」。これだけで済む。しかし、それ以上で説明しようとするのは非常に難しい。ダブ・ステップというにはあまりに希薄で、ソウルというにはあまりに脆弱である。早くも「ポスト・ダブ・ステップ」などと呼ばれ始めてるが、そんな簡単な言葉でかたづけていいもんじゃないと思う。

1曲目『Unluck』からしてやられた。静かなキーボードの音色と一瞬の轟音、そして最低限のリズムでループするイントロに呟くようなJamesのヴォーカルが絶妙である。そして2曲目『The Wilhelm Scream』は次第に広がるサウンドの奥行きに思わず目がくらんでいく。3曲目『I Never Learn To Share』は「僕の兄弟たちは僕に話しかけようとしないんだ/でも僕はそのことを責めたりなんかしないよ」というループするうなJamesのVocalが涙を誘う。

間違いなく今年のベストアルバム候補であろう傑作。今年を代表する1枚、今のうちに聴いといて絶対に損は無い。

ちなみに上記の曲番号は輸入盤のもの。国内盤のボーナストラックもかなりいいけど、やはり1曲目は『Unluck』で聴くべき。