na0の転がる石 苔まみれ

Manic Street Preachers 『Postcards From A Young Man』 2010年9月22日発売

SICP-2841 Sony Music Entertainment


前作『Journal For Plague Lovers』は、失踪したリッチーの法的死亡が決定したことをうけバンドとしても何かしらの区切りをするためのアルバムであった。メロディー面ではプロデューサーのスティーヴ・アルビニの影響が強く、初期のようなパンキッシュもしくはポストパンク色の強いものであった。


今回の作品は前作とは違い、リッチー失踪後のバンドにしてみれば「黄金期」に近い、メロディアスでスタジアムバンド的な特徴の強いものである。前半ではストリングスが多用され、後半はポップなギターサウンドが特徴的である。


前述したように前作『Journal~』は彼らにとって区切りの、節目のアルバムであると同時に、初期の「4人」のマニックスが好きであったファンに対する彼らの最後のプレゼントであった。おそらく3人になってからの彼らしか知らないファンにとって前作の内容は受け入れがたいものであっただろう。しかしそれは初期の頃のファンが『Everything Must Go』以降、変わってしまった音楽性に落胆したのと同じようなものだろう。


で今作はどうなのか、というと意味合いは全くもって逆だが前作と同じように区切り、節目のアルバムである。このアルバムに寄せられた「マスコミに向けた最後の一撃」という彼らからのメッセージは一見解散宣言の様でもあるがこの場合は「もうファンやマスコミを裏切ることはない」という誓いだろう。つまりは宇余曲折してきたものの、これから先マニックスは「3人」で「このメロディ」を軸に活動を続けるというメッセージだと思う。


とはいいつつもどんどん音楽性が変わっていってもいいとボクは思う。U2は何度も音楽性を変え、そのつど批判をうけながらもいまでは世界を代表するロックバンドである。願わくはU2のように長く、いや永く世代を超えて愛されるロックバンドになってほしい。