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The Dead Weather 『Sea of Cowards』 2010年5月12日発売(国内版は5月26日)




Jack Whiteの第2サイドプロジェクト、The Dead Weather。昨年のデビュー作は個人的にはランク外にはしているが実質2位。その実力は個々のオリジナル活動で折り紙つきの金箔張りみたいなものだが、今回もやっぱり凄い。




今回わかったのはこのプロジェクトのJack White内での位置づけ。本職The White Stripesはベースレスでどこまでブルースを追及できるのかの実験バンドであり、Raconteursが定番のバンドスタイルでのルーツロックの再現。そしてこのDead Weatherは70、80'sのハードロックバンドがもし今の時代にそのままタイムスリップしたらどのように進化していくか、あの頃のハードロックを愛してはいるがそれを超えてやろうという挑戦的なバンド・プロジェクトであろう。




なぜこんなことを思ったかと言えば今回も前作以上にしっかりとシンセを導入していること、そして前回以上に印象的なギターサウンドを追求していること、この2つがそんなことを思い起こさせたのだ。これが「White Stripes」のJack Whiteだとしたら絶対に許されないことだが、このプロジェクトの彼にだったら許される。




ともかくシンセの導入は確実に良い効果をもたらしている。3曲目『The Difference Between Us』での導入は彼らなりのダンスミュージックへの接近だろうか。まったく乗れる気はしないがあれはあれで心地よい。




何より一番は『I'm Mad』のサイケとも違うあのトリップ感、というか気持ち悪さすら感じさせるあのAlisonの自嘲じみた笑い声はイヤホン越しでも我々の根源的な恐怖をあおる。




前回と比べて実験性が増し、いい意味での気持ち悪さが半端ない。若干実験的で評価はしにくいがサイドプロジェクトとしての挑戦のやりかたは正当なものである。ただ、やっぱり前作のほうが好きだなぁ・・・