na0の転がる石 苔まみれ

サカナクション 『アルクアラウンド』 2010年1月13日発売


「セントレイ=1000と0」や「シンシロ=真白」など、サカナのタイトルには前々からだがやはり独特のセンスがある。今回のタイトルは「アルクアラウンド=歩く around=歩き回る」ということだろう。


歩き回る、と聞くと途方に暮れている、というイメージを持つ。歌詞も「何を探し回るのか/僕にもまだわからぬまま」「何が不安で何が足りないのかが解らぬまま」など一見そのイメージのままのように思える。だが、それが間違っているというのはすぐにわかる。


簡単に言ってしまえばアントニオ猪木である。「123、ダー!!」のほうじゃなくて、その前の「この道を行けば・・・」のほう。ゴールがどこにあるかわからなくても止まってはいけないのだ。ただひたすらに、同じ道を繰り返し繰り返し、偉大なる堂々巡りを続けることが必要なのだ。


歌詞がジャケットにすべて記載されているという斬新な試みからもわかるがやはり彼らはほかのバンドとは違う道を歩いていることが分かる。太古の昔、広く豊かな海を捨て初めに陸に上がったのが魚類だったように、新しい世界への一歩を踏み出してくれるのは彼らだと信じている。