では、いよいよベスト3です。今回は少しアルバム自体から離れたことについて(だけ?)も書いてあります。ちょっと長いですが、お暇でしたら。
3位 The HIATUS 『Trash We'd Love』
思えば今の30半ばの世代はロックシーンの中でのメジャー空間地帯である。バンドブームに後れ、ヴィジュアル系の全盛期に青春を過ごし、90年代後半~00年初頭にデビューし、それでもインディーズから抜け出すことができず、続々とメジャーデビューし露出の多い顔のいい後輩バンドに追いつかれまいと必死になっている。そんな30代のロックスターは一体だれなのか?そう聞かれば「細美武士」と答えるしかない。細美は例えるならば大型の猛禽類である。エルレ時代からその威圧感で他を圧倒したが、羽を広げてはいたものの実はまだ大空を飛んではいなかったのである。そして今年、それまでの羽根が抜け落ち、the HIATUSとして新たに今まで以上に大きな翼をはばたかせ彼の飛翔がここから始まるのだ。
2位 くるり 『魂のゆくえ』
さっき30代のロックスターは細美と云ったが、ではその後ろにいるのは誰か。一人はくるりの岸田である。細美とは違い、アルバムごとに世界観を変え、常に新しい表現を模索し続けてる。彼はロックスターというより表現者であり、ロックはその手段のうちの一つでしかない。前作『ワルツを踊れ』でシンフォニーとの融合を果たし最高傑作を作り上げたが、それに縛られることなく今回も挑戦的な作品を作り上げた。サイケがかった重いロックチューンとピアノを重視した軽く静かなロック。そんな中で一つ浮いてる気がしたのは9曲目『Natsuno』。ものすごくストレートなロック。実は一番このアルバムの中で好きな曲である。だがなぜこの曲がここに?いくら考えてもわからない。すべては岸田の魂が赴くままに。
1位 100s 『世界のフラワーロード』
では、中村一義はロックスターか?それは違う。では岸田のように表現者なのか。その一面もあるが的を得てはいない。では一体何なのか。中村一義は魔法使いである。・・・・・ボクはアホではない、真剣に言っている。彼の発する一言一言が呪文の言葉であり、鳴らす一音一音が体の内から我々の何かを変えていく。おそらく彼の知っている呪文の中には人を傷つけるものもあるだろう。しかしそれを使うのではなく、人を癒し、世界を平和にする呪文を流し続けている。家から歩いてすぐの商店街も、仲間と音楽を奏でるスタジオも、傷つきさまよう野良犬も、いまだ血の流れ続ける戦地をも全部ひっくるめ、この世界のすべてを愛する魔法使い。一度聞けば彼の呪文の虜になること間違いなしだ。しかし、いやな気分はしない。それが世界の正しい姿なのだから。