2020年2月、癌に抗い続けた、なるさんが
旅立ちました。52歳でした。
なるさん(主人)
私 パート
たろう(息子)当時高校3年生
ことり(娘) 当時小学5年生
「健康診断、再検査」〜「突然感じた重み」は、なるさんと家族の闘病記です。
それ以降は、死別後の事を綴っています。
お読み頂けたら、嬉しいです。
処置をしてもらった、なるさんは、顔色も良く、痩せこけた頬も、少しふっくら。
緩和ケアにうつり、抗がん剤で抜けた髪の毛も綺麗に生え揃っていたので、まるで静かに眠っているかのよう。
でも…
もう、温もりを感じる事はできない。
ドライアイスで冷やされて、すっかり冷たくなってしまった、なるさんのおでこに触れたことりは、
「お父さん、寒くないかな」
と言った。
私は、涙を堪えながら
「寒いかもね。でも、ことりの手、温かいなぁって感じてるかもね」
と言って、ことりの頭をポンポンした。
いつもなるさんが、やっていたように。
まだ、小学生のことり。
いつも、お父さんの隣にちょこんと座って、モコモコの頭を触ったり、丸いお腹を触ったり…
ことりが、イタズラすると、なるさんは、大きな手でことりの頭を優しく、ポンポンして笑っていた…
そうやって、どこかしらに触れて、なるさんの温もりを感じていた、ことり。
優しくて、面白くて、温かい、お父さんが大好きだった。
どうか、忘れないでね。
お父さんの温もりを。