2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
2019.9.20
心が折れた、たろう。
たろうは、仲間たちに支えられ、何とか練習には出ている。
明日の花園予選2回戦は、目のケガにより出場できない。
他にも数名がケガで出られない。
スポーツをやっていれば、ケガで出場できない事は、仕方がないが、小学生の頃からラグビーをやってきた、たろうは、高校へ入ってから、それ以前のように、決して恵まれた環境ではない中で、頑張ってきた。
それでも、仲間と強いチームを作り上げようと、努力してきた。
たろうの悔しさを思うと、辛い。
なるさんも、たろうのいないところで
「悔しいだろうな」
と泣いていた。
しかし、たろうには、共に切磋琢磨してきた仲間がいる。
今回、みんな、ケガで出場できない仲間の為に、勝利して次に繋げようと、より練習に励んでいるそうだ。
どうか、そんな仲間の熱い気持ちが、たろうの心にしっかりと届きますように。
2019.9.21
花園予選2回戦 SB高校
たろうは、目を負傷しているので、出場できないが、なるさんと観に行った。
レギュラー陣、数名のケガに、チームの司令塔であるポジションのたろうが抜けた穴は大きく、非常に厳しいゲーム展開となった。
たろうは、グラウンドの外から、大きな声で仲間に声をかけ、ブレイクタイムには、水を運び、相手の弱いところ、こちらが気をつけなくてはいけないところを伝えていた。
仲間たちも自然と、たろうの所に集まり、何やら話している姿が見られた。
みんな、いいプレイをした選手を労い、ミスをした選手には、
大丈夫だ。落ち着け。
と背中にタッチ
あー、ラグビーっていいなぁ
仲間っていいなぁ
とつくづく思う。
例え、試合に出られなかったとしても、そんな中に、たろうがいると思うと嬉しい。
そして、自分にできる事を精一杯しているたろうもにも…
試合は、最後までハラハラさせられる展開だったが、26対24で何とか次へ繋がった
試合終了後、ケガで出場出来なかった仲間の元にみんなが駆け寄り、抱き合う姿が、印象的だった。
感動をありがとう。
仲間が繋いでくれた試合。
その気持ちを大事に、たろうには、最後までやり抜いて欲しい。
そして、相手チームの、ラガーマンたち、素晴らしい試合を見せてくれてありがとう
みんな、お疲れ様。