2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
2019.8.5
旅行2日目 北軽井沢
菅平高原を後にして、北軽井沢へと向かった。
ここからは、ことりが楽しめるようにとなるさんが、色々、考えてくれた。
車内から見える青空と浅間山が美しい。
途中、軽井沢の星野リゾート ハレルヤテラスを散歩した。川沿いの木陰をゆっくりと休みながら歩き、とても気持ちよかった。
そして、お出かけした時の楽しみの一つ。
なるさんが、桃のスムージーを買ってくれた。
あまりに美味しすぎて、ことり、大興奮。
ことりに甘々のなるさん、帰りに、もう一杯、買ってあげていた
そして、工作が好きなことり、自分で作る貝殻のオブジェキットも買ってもらい、喜んでいた。
その後、旧軽井沢を見てまわり、トリックアート美術館へ入った。
不思議な絵を見て、お父さんと写真を撮り、ことりは、ケタケタ笑っていた。
なるさんも楽しそう。
今日は、結構、歩いたので早めに北軽井沢の宿へ。
宿探しと予約は、私の担当。
なるさんからの条件は、
・部屋が狭くない事(狭いのが苦手)
・部屋数があまり多くない事
ネットで色々見て、夢の子供部屋のような部屋を見つけ、ここだと予約をした。
まず、玄関でかわいいトイプードルがお出迎え。ペットを飼いたがっていた、ことりは大喜び。
そして、部屋へ案内されると、大人のベッドが2つ。
両壁には、寝台列車のように、2段ベッドが連なっている。
内装にも凝っていて、大きな葉っぱの上からぬいぐるみが覗いていたり、可愛い照明がいくつもあり、ことりは、ドアを開けた瞬間
「わぁー」
と声をあげた。
やったー。
喜んでる。
うれしい。
「かわいい。どうしよう。どこで、寝ようかな お母さんはどこ
お父さんは、窓際の大きなベッドがいいでしょ」
と言いながら、次々とベッドを渡り歩いた。
なるさんは、少し疲れたと夕食の時間までベッドでゴロゴロ。
私は、ことりとプレイルームへ行き、卓球などをして遊んだ。
時々、ワンちゃんが来て、ことりは、優しく撫でていた。
お楽しみの夕食は、スペアリブに、しゃぶしゃぶなど、豪華でとても美味しかった。
量も多く、申し訳ないが残してしまった。
宿の主人が、
「無理しなくて大丈夫ですよ。外に置いておくと、動物たちが食べてくれますから。それと、お嬢ちゃんのスペアリブの骨をもらってもいいかな?さっきから、この子が楽しみに待っているので、洗ってあげてもいいかな?」
と言ってくれた。
ワンちゃんは、ことりの足元でカリカリとスペアリブの骨を食べ出し、ことりは、とても嬉しそうにワンちゃんが食べるのをずっと見ていた。
食後、ことりと私は、また、卓球をした。なるさんは窓際の大きな椅子に座り、楽しそうなことりの姿を微笑みながら見ていた。
また、いつか泊まりたいと思う、素敵な宿だった。