2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。

当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。

お読み頂けたら嬉しいです。


なるさん(主人)会社員

 パート

たろう(息子)高校生・ラグビー部

ことり(娘)小学生


2019.1.22

放射線16回目 消化管内科診察あり


採血も放射線もほとんど待つことなく、11時には終了。

しかし、内科の診察が14時からと、だいぶ時間が開いてしまった。


常に疲労感があるので、院内のカフェやロビー、はたまた車の中で、横にでもなって、待っていようかと思ったが、なるさんが

「たまには、デートしよう」

と病院の外へ。


まずは昼食をと、TVなどで話題になっている、おしゃれな和風カフェに入った。


なるさんは、天ぷら膳。

私は和風牛膳を食べた。

様々なおかずが入った小鉢が、たくさんついていて、見た目も豪華でとてもおいしかった。

なるさんも美味しそうに、食べていて、うれしかった。


食後、川沿いへ出て、散歩した。

しかし、食後のどんよりタイムが来てしまい、しばし、ベンチで休んだもやもや(やはり天ぷらは油っこかったようだ)


「ダメだ。これじゃデートにならないね」

と苦しそうに言うなるさん。


なるさん。

私にとっては、とっても素敵な時間です。ただ、こうして、なるさんと過ごす時間は、何にも変えがたいものですよ。



その後、落ち着き、病院へ戻った。


歩くスピードも遅く、細くなってしまった足に、今までのGパンはブカブカだデニム


学生時代、陸上部だったなるさん。

中年らしい体型にはなっていたが、運動神経がよく、がっしりとしていた。

厚い胸板に、広い肩幅。

そして、いつも温かいむくむくの手。


それが、今は…

後ろ姿を見ていると切なくなる泣


病気と闘って、

頑張って頑張って

小さくなってしまった。


会計札束 11,980円




2019.10.23

放射線17回目


なるさん、電車で1人で通院。

座れたとのことでよかった。

午後からは会社へ。

無事に帰ってきてくれてよかった。

体中がカチコチで痛いそうだ。


会計札束 13,790円




2019.1.24

放射線18回目 放射線科診察あり


放射線は相変わらず混んでいる。

放射線科の先生によると、効果が現れるには、1ヵ月ほどかかるそうだ。

CTで白く写っている癌が、黒くなってきているので効いていると思うとの事だった。

よかった。


ここから、なるさんは仕事へ。


会計札束 1,820円




2019.1.25

放射線19回目


北風が吹き、寒い日が続く。

インフルエンザの流行で、ことりの小学校病院でも学級閉鎖をするクラスが増えている。

そんな状況で、電車で行くのは心配だが、精神的に不安定なことりの事もあるし、仕事へ行くのに体力をつけたいとの事。


なるさん、体中がカチコチで痛いと自分でストレッチやマッサージをよくしている。


会計札束 0円(高額医療制度にて)