2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
2018.12.29
年末年始は、放射線治療もお休み。
なるさん、熱はないが調子が悪そう
めまい、体の痛み、だるさ。
鼻水も出るようで風邪かもとの事。
和室に布団を敷き、1日中よく寝ていた。
夕方、汗をかき少しスッキリしたようだ。
夜は、ソファーに座ってテレビを見たりゲームをしたりして起きていた。
昨日、なるさんが倒れて、救急車で運ばれたこともあり、もう一度、子供たちとよく話した。(兄妹、歳が離れているので別々に言葉を選んで話した)
ことりは、涙1つ見せず、取り乱す事なく
真剣な顔つきで話を聞いていた。そして
「わかった」
と表情を変えずに答えた。
その後、しばらくして、お父さんと2人になったことり。
「お父さんの病院は日本一、世界一、すごい病院なんだよね」
「そうだよ」
「うん。じゃあ大丈夫だね。治るよ」
お父さんを励まそうとしたのか自分を落ち着かせようとしたのか
それは不明。
そんな2人の会話を離れた所で聞いていた私は、必死に涙を堪え、淡々と家事をこなした。
たろうには、自室で、大変厳しい状況であることを伝えた。
一瞬で顔つきが変わり、無反応となった。やはり、すぐには受け入れられない様子。
このところ父とあまり口を聞かなかった、たろう。早く和解し、前のように話ができるよう、歩み寄ってほしいと強く願うも、こちらも難しい。
たろう、頼むよ…
なるさんが子供たちに伝えた言葉
「普段通りの暮らしをしよう。下ばかり向かないように、前を向いて生活していこう」