2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
2018.5.4
お父さんは入院中。
お母さんは仕事。
お兄ちゃんは部活。
ことりは、1人でお留守番。
たろうが、午前中の練習が終わったら、急いで帰宅してくれたが、お昼には間に合わず、ことり1人で昼食を食べた。
外へは行かず、ずっと家の中でテレビを見たり勉強したり、毛糸を使って、お父さんとお母さんにポンポンの飾りを作ってくれたりしていた。
どんなに不安で、寂しい気持ちで作っていたのだろうと考えると、切ない
なるさんが入院中は、できれば仕事を休むか、せめて半日までにしておけばよかったか。
職場には家庭の事情を話してあり、しばらく、週の出勤日を1日、減らしてもらっている。しかし、休みは1ヶ月前に入れなくてはならず、皆さん協力的だが、突破的な事がない限り、そうそう休んでもいられないのが現実
小学4年生になったばかりのことりには、色々と我慢させている事が多いと思う。
私の仕事が終わる頃、ことりが自転車で職場に迎えに来てくれた
明日、なるさんのお見舞いがてら動物園へ行くので、お菓子と飲み物、パピコを買った
職場の外でパピコを半分ずつ食べて帰った。
「ごめんね。1人で不安だったね。」
と言うと、笑顔で
「1人で平気だよ」
と言ったことり。
本当は寂しかったのに。
静かなのが怖くて、ずっとテレビつけているのに、我慢させちゃってごめんね。
かわいいプレゼントありがとう。
お父さんにも見せてあげようね。
2018.5.5
午前中、ことりとなるさんの病院へ。
落ち着かないことり。
やっぱり入院中のお父さんを見るのは、辛いみたい
短い時間で病院を出て、いざ動物園へ。
ことりは、体調がすぐれないのか元気がない気がする。
しかも、ものすごい人
それでもたくさんの動物を見て、お父さんに
「楽しんでおいで」
ともらったお小遣いで大好きなかき氷を食べて、カワウソのぬいぐるみを買って、とても楽しそうだった。
疲れたけれど、ことりの楽しそうな顔を見ると元気がでる。
帰宅後、動物園、楽しかった。となるさんに、LINEをすることり。
カワウソのぬいぐるみを横に、満面の笑みでかき氷をたべる写真を添えて。
なるさんも元気でたかな。