2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生
2018.3.16
夕方、私1人で、ことりにお父さんの病気について話した。
大好きなお父さんの前だと、きっと気遣って不安な気持ちや疑問を飲み込んでしまうと思ったから。
勘のいいことり。
お父さんの病気がいつものお腹が痛いとは違うなぁと感じていたはず…
でもいざ、母から
癌
という言葉を聞き、さぞショックを受けたことだろう。
最初は、涙を浮かべながら、何度か手で耳を塞いでいた
ことりが心の準備を整えるまで待って、ゆっくり話しを続けた。
現実を受け入れる事が難しいようで固まったまま
わーっと泣く事もせず、艶やかなことりの頬に静かに涙が流れていた
まだ小学3年生。
重すぎる現実。
すぐに受け止められるはずがない。
でも、ことりは一生懸命に私の話を聞き、色々考えだした。
そして、次から次へと質問した。
私は、病院の児童心理士さんに、頂いた冊子を使って、ことりの質問に答えた。
その冊子を何度も読み、一生懸命、理解しようとする、ことりの姿にうるり
少し前に、癌で他界したおじいちゃんと重ね合わせているにちがいない。
お父さんもおじいちゃんのようになってしまうのと聞きたかっただろう。
でも、ことりは聞かなかった。
たぶん、怖くて聞けなかったと思う。
小さい頃から聞き分けが良く、手がかからなかったことり。
気にかけてあげないと。