2020年に52歳で、食道癌で亡くなった主人と家族のリアルな記録です。
当時の日記を元に、主人が最期まで闘い抜いた事を残したいと思いました。
お読み頂けたら嬉しいです。
なるさん(主人)会社員
私 パート
たろう(息子)高校生・ラグビー部
ことり(娘)小学生高学年
2018.3.9
夕方、たろうと些細な事で口論となった。
高校生にもなって、未だ反抗期か
いつもの事だが、自分の過ちを認めず、私を否定する、たろう。
どう話しても、伝わらない思い。
こんな調子で社会に出たら、どうなるんだという不安
もう少し、大人になってと願う気持ち。
主人の事で大変な時だから、なおさら
いや、だから、些細な事で突っかかってきたのか
自分を守ろうと攻撃的な言葉を並べるたろう。私に
「1人で、そうやって生きていけばいいだろ」
と言い放った。
私は、心の壁が壊れたように、涙が溢れ出て止まらなくなった
なるさんが、健康診断で引っかかってから、
家族を守る。
弱音は吐くまい。
と何重にも壁を作って堰き止めていた不安や悲しみが、たろうの言葉をきっかけにして、やっと出口をみつけたと言わんばかりに、涙となって流れ出てしまった。
本当は、ずっと不安でたまらない。
助けて。誰か助けて…と
思っている。
そんな気持ちを誰かに話して、優しく
「大丈夫だよ」と言ってもらいたい。
でも…
私は母だ。強くあらねばならない。
愛する人を守らなければならない。
きっと、たろうも私もストレスが溜まっていたんだ。
今日は思いっきり泣いて
また壁を作ろう
2018.3.12
最近、なるさんが胸に手を当てている時がある。
食事の時も手を当て、ゴクリと飲み込んでいる事もある。
それとなく、なるさんに聞いてみると
「最近、痛む時があるんだよね…。仕方ないね…」
と。
大丈夫かな。
心配だな。
いよいよ明日はPET検査。
どうか、いい結果が出ますように。