「あ…

この曲や…

確か…ショパンの…」


あの頃
土曜日になると現れる彼がいた。

彼は
いつもヘンゼルを注文した。

いつもいつも、ヘンゼルだった。

ヘンゼルの彼!


そして…
ピアノに座る。


演奏が始まる。

何回も何回も聴いているうちに、
口ずさめるようになる。


あの曲を耳にすると
いつも彼を思い出す。


先日、懐かしい話から彼の話がでた。


「あの…ほらほら…

♪タララタラリララ 
タララタラリララ 
タララララララララリララ…♪」

と、口ずさむリリー。



「幻想即興曲!?」


「そーそー!ショパンの!」


…リリーの
   耳も音程もなかなかや…😎



「楽譜、持ってるで!」と言う彼女。



「いや…弾かれへんし…」💦