夏疾風 LAST | 潤いと和み。

潤いと和み。

世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡






ぎゅって抱きしめられて、でもすぐに体を離されて。

「・・・ニノ、今の・・・マジ?」

覗き込んできたその顔は、ほんの少し不安げな感じ。
その顔を見たら、次の言葉が出てこなくなってしまった。
そんなオレを、もう一度、今度はふんわりと抱きしめてくれる。
それだけで、何かもう今まで意地張ってたり、言いたいこと家なくて我慢してたりしたのがバカみたいに思えてしまって、涙が止まらない。

「ねぇ・・・ニノ」

「聞くな・・・バカ」

それだけ言うのがやっとだった。
察しろよ。
長い付き合いだろ、オレ達。
って思ったけど、潤くんはそうゆうの得意じゃないんだった。
得意じゃないっていうか、ちゃんとハッキリ聞きたい人だ。

だけど、何か⋯
どうしても恥ずかしくて。

「・・・あせ、くさ・・・。」

そんな、今のシチュと全然関係ない言葉で誤魔化そうとした。

「・・・ニノ?」

 オレの言葉に、潤くんのテンションが下がったのが声の色でわかる。
でも、もう恥ずかしかったからだなんて言い訳も出来ない雰囲気だから。

「潤くんってば、汗まみれなんだもん」

本当に汗の匂いはしてるんだから、オレは間違ってはいない。
 ⋯柔軟剤とかの匂いも混じってるから、気にはなんないけど。

「つかお前、この場面でそんなこと言う?」

呆れたみたいに言い返す潤くんが、ちょっと面白くて、もうちょっとからかいたくなる。
 
「だって、クサイんだもん・・・なんか湿っぽいし」
 
「仕方ねーだろ!翔くんに相談するためにこのクソ暑い中で歩けば汗くらいかくだろ?!」
 
「俺だっておーちゃんと一緒に画材屋さんまで歩いたんだけど?」

「仕方ねーじゃん・・・俺、汗っかきだし・・・分かった、シャワー浴びてくる」

あ、今度はちょっと拗ねた。
やり過ぎたかも。
でも、そんなとこがやっぱり可愛いっていうか、ちっちゃい時から変わらない潤くんだなぁって思って、思わず笑ってしまった。

「ごめっ・・・嘘だよ・・・なんか、安心したら急に恥ずかしくなっちゃった」

全部をさらけ出したら、ちょっと気持ちが軽くなった。
いつかは、お互いちゃんと向き合わなきゃいけない事。
大事な事だからこそ、オレ達にとっては今のこのタイミングがベストだったんだって、潤くんの顔を見たらそう思える。

そばにいたい。
まだ、一緒にいたい。
たぶん、今この気持ちは、限りなく恋に近いんだ。
きっと、潤くんもそうだと思う。

視線を逸らした潤くんは、またふんわりとオレを抱きしめる。

はぁ⋯
ココでキスの一つくらい出来たら、この気持ちにハッキリ名前が付けられるのに。

「意気地なし⋯。」

潤くんも、オレも。

うん。
だから、決めた。


「潤くん、オレはA高を受験する・・・おーちゃんが言ってたもん。未来も大事だけど今も大事だって。だったらオレは今を大事にしたい・・・勉強なんてやる気があればどこでもできる」

一緒にいたいから。
まだまだ楽しい時間、一緒に過ごすぞ。
オレの決意、わかってる?
伝わってる?

何でかちょっとだけ悔しくなって、潤くんのほっぺをム二って摘む。

「イテッ・・・何すんだよ?」

されるがままだった潤くんに、今度はオレが尋ねる。

「潤くんは・・・どうするの?」

オレの気持ちはちゃんと言った。
だからなのか、潤くんの答えがどんなものでもいいやって思える。

「陸上だって・・・どこでもできるし・・・A高・・・陸上部あるし」

潤くんの返事に、嬉しい反面ちょっと不安になる。
この人、オレの決意ちゃんとわかってるのかな?
だって、陸上の事しか言ってない。
潤くんらしいっちゃ、らしいけど。

「今を大切にすれば、それが未来に繋がるんだもん・・・だったらオレは潤くんとの時間を選びたい」

ちゃんと言葉にするって、大事だ。
伝わるように伝えるって、本当大事だ。
そして、それがちゃんと伝わったってわかるのって、すげぇ嬉しい!!

今度は潤くんが真っ赤になってる!
あまりの嬉しさと、なかなか見れないそんな潤くんの顔にニヤニヤしちゃいそうになるのを必死で我慢して、またそのほっぺをムニムニしてやった。





「ねー潤くん。一緒に勉強する?」

今日も相変わらず、ベランダ伝いにやってきては人のベッドでゴロゴロしてる潤くんに、声を掛ける。

「やだ。オレは、ココに息抜きに来てんのー。だから、ここじゃ勉強はしませーん!」

その口調にちょっとイラっとして、つい余計な言葉が口を突く。

「⋯もう。知らないからね!」

本当はダメだ。
絶対受かってもらわないと困る。
だって、一緒って約束したもん。

そんなオレの気持ちを察してか、潤くんはムクりと体を起こして、背中を向けて座り直す。

「ちゃんとやってるから。大丈夫。
⋯まぁ、100パーとは言わないけど。」

ちっちゃく呟くみたいなその言葉に、嬉しくなる。
だから、その背中に後ろからぎゅっと抱きついた。

まだまだ一緒にいようね。
楽しいこと、いっぱい一緒にしようね。

そんな気持ちを込めて。

「⋯落ちたら許さないからね。」







終わり。