lumière 6 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡




妄想blです。













お嫌いな方はスルーで。






side  N





 一週間と一日。
8日経って会えたその人は、前とは全然雰囲気が違っていてmちょっとビックリした。

仕事の帰りだろうなってひと目でわかるスーツ姿と、前髪を上げてるから見える顔が、すごく年上の大人の人に見えて、何だか上手く話せない。

「何飲む?奢るよ。」

最初のビックリがまだずっと続いているみたいに心臓がドキドキしているのに、急にそんな事を言われて、いいのかなって躊躇ってしまう。
だって、名前も知らない知らない、会うのだってまだ二度目の人なのに。
それでも

「好きなの押しな。」

そう言って百円玉をチャリンチャリンと入れる自販機の前に立ったその人の明かりに照らされた顔は、この前と同じように優しい目をしていたから、いいのかな?って思いながらも、いつも飲んでる炭酸ジュースのボタンを押した。

ガコンッって落ちた缶を手渡してくれて、今度はコーヒーのボタンを押して、それを手に隣に座ったその人との距離が、やっぱりどうしたって落ち着かない。

「ありがとうございます。」

お礼を言って、プルタブを押し上げる。

「どういたしまして。
てか、この前の...気ぃ悪くさせたよね。ごめんね。」

この前って、気ぃ悪くって、何だっけ?
思い出せないってことは、そう大した事じゃないはずだと思って

「え?あ...いや、大丈夫です。」

無難にそう答えた。

「ビックリしたんだよ。中学生なのに、こんな本読むんだなぁって。」

「...は?」

ちゅうがくせい?
中学生って言ったよね、この人。
ってことは、オレを中学生だと思ってるってこと?

「オレ、中学生じゃないです。高校生です。」

童顔なのはわかってる。
背だってそんなデカくないし、どちらかと言えば華奢な方だって自覚もある。
だけど、中学生って...
制服着てるのに。


「え?!マジで?!
あ...っ、ごめん!!」

慌てて謝ってくれたけど、中学生に間違われてたって事実は意外と、結構なダメージ。

「...ジュース、ご馳走様でした。」

もうこれ以上、上手く話せる自信がなくなって、お礼を言って立ち上がった。
...自習室、戻ろ。

「ちょっと待って!お願い!!」

そう呼び止められて、同時に腕を掴まれた。

「ほんっっっとに!ごめん!!」

完全に焦った顔をしてるその人を見たら、なんか逆に申し訳なくなってしまう。

「...もう、いいです。童顔だからよく間違えられるし。」

そんな顔しないでいいですよ。
大丈夫、慣れてますから。
 まぁ、制服着てる時はほとんど間違われはしないけど。
それでもそう言ったのは、目の前の人がすげぇ申し訳ないって顔をしてるのがよくわかったから。

「大丈夫っす。気にしてないし。」

「いや、そんな訳には!一度ならず二度までもって...。」

必死な顔と、掴まれた腕の強さ。
ビシっとキメたスーツ姿なのに。
そのギャップが面白くなってしまって、何だか笑いが込み上げてきそう。

「じゃあ...また、ココで会えたら、ジュース奢ってください。
それでチャラです。」

「ホントに、それでいいの?
そんな事くらいでいいの?」


半分冗談のつもりだった。
また会えるなんて確証はない。
それでも、そうでも言わないとこの人はきっと、ずっとこの事を申し訳なく思っちゃうんじゃないかって思えたから。

「うん、それでいいっすよ。」

「わかった。次会えたら、何本でも奢るから!
俺、松本です。君は?」

「二宮です。二宮和也。」

松本さんに、それじゃって手を振って
自習室までの階段を登った。

今日やるつもりだった分の課題を終えて、スマホを見たら閉館まであと20分。
やっと終わった。
ふぅ...って背伸びをして、ぎゅっと目を瞑れば、浮かんできたのはさっき会ったあの人。
後ろに流した髪型、ネクタイとスーツ。
すごく年上っぽく感じたけど、オレを中学生だと間違えて焦ってる時の顔は、なんか可愛かった。

松本、さん。

どうしてだかわからないけど、さっき会ったあの人の名前を心の中で、何度も繰り返し呼んでいた。