妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
うたかた・・・のふたり、久々登場です♡
時折強い風が吹いてくる中を
家の周りを少しづつ片付けて回る。
植木鉢、デッキに出てたサンダル、外掃き用の箒やちりとり。
思ってた以上に物がある事に驚く。
退けた植木鉢の跡がしっかりとコンクリートに付いてるのを見て、それがこの家に住んできた時間と比例しているんだろうな、なんて思った。
なんて、感慨に耽ってる暇はない。
今日中に片付けてしまわないと、ヤバいんだ。
狭い玄関に敷いたブルーシートの上に集めてきたものを置いていけば
あっという間に足の踏み場が無くなる。
だけど、ここ以外に置く場所もないからどうにかそれらを掻き分けて部屋の中に入った。
「かずー、食料どう?足りそう?」
ダイニングテーブルには避難袋が置かれ、それとは別に何種類ものレトルト食品と結構大きなクーラーボックス。
「食料は大丈夫そう。水も。
でも、電池が足りないかも。」
キッチンの造り付けの棚をゴソゴソと漁ってるかずは、振り向きもせずに答える。
もうすぐ、大型の台風が来る。
海が近いこの地域は直撃こそ免れそうではあるけど、暴風圏内には入っているから結構ヤバい。
テレビでも停電の可能性が高い事を何度も伝えていた。
「電池かぁ・・・。
たぶん、どこももう売り切れだろうね。
相葉さんとこも無いかな?」
仕事でもプライベートでも付き合いがある相葉さんは、商店街の電気屋さん。
きっとこうゆう時はお客さんも多いだろうし、忙しいだろうから、聞くのも何だか気が引ける。
「相葉さんのとこは近所のじいちゃんばあちゃんが来るだろうから、ダメだよ。」
かずのその言葉に、焦るみたいなザワザワとする胸を撫でられたような気がした。
迫り来る非常事態の中、スーパーでは長蛇の列が出来ていて、色んな棚が空っぽだった。
買い占めるっていうのとは違うんだろうけど、みんな必要だから買うんだろうけど、それでも自分よりもっと必要な人に譲ろうってするかずの言葉が優しいなぁって。
「まぁ、暗くても俺とかずは死なないし。乾電池はまぁいいか!」
「そういえば、大野さんのトコにランタンあるよね?
1つくらい余ってるんじゃない?借りれないかな?」
言うが早いか、尻ポケットから取り出したスマホで電話を掛けたかずは、大野さんからランタンを借りる算段を取り付けた。
「潤くん、後で取りに行ってくれる?」
「ん、いいよ。」
「ランタン貸してくれる代わりに、たろうの犬小屋を部屋に入れるの手伝って欲しいって。」
「・・・だから、俺に行けって事なのか。」
「うふふ。力仕事はオレには向いてないもーん。」
まぁ、たろうの為でもあるから
それくらいやりますけどね!
空は少しづつ雲が増してきて、だんだんと灰色に近づく。
雨が降ってきたら色々面倒だから、予定よりも早いけど大野さんの家に向かう事にした。
「気を付けてね。」
かずに見送られながら靴を履いて
靴箱の上の写真立てに飾られた
1枚のハガキに目が止まった。
「これ、ここに飾ったんだ。」
「うん。ご利益ありそうじゃない?」
かずが手にしたそのハガキは、櫻井先生からのものだった。
今年、冬の終わりから世界中で猛威を振るう新型ウイルスで
生活の全てが一変した。
かずの主治医だった櫻井先生も、その新型ウイルスによって危険と隣合わせの生活をしながら、それでも最前線で戦っている。
大きなあの病院は新型ウイルスの検査と治療を引き受ける施設のひとつに入っているからだ。
外来での受診は必要最小限に制限され、その代わり電話やインターネットでのオンライン診察が始まったそうだ。
そんな、状況だからなのかな。
櫻井先生は自分の受け持ち患者さんに
このハガキを作って郵送していた。
そこには、櫻井先生が自分で描いたと思われるアマビエ様のイラストが描かれている。
「疫病だけじゃなく、台風もどうにかしてくれないかな?」
「それはちょっと欲張りすぎでしょ。」
クスクス笑うかずに、まぁそれもそうだよなって答えて、履いた靴のつま先をトントンと鳴らした。
「じゃあ、行ってくるね。」
「うん、気を付けてね。」
もう間もなく降ってきそうな重たい空を見あげて、大野さん家への一歩を踏み出した。
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先日、郵便ポストを開けましたら
1枚のハガキが入っておりました。
(´∀`*)ウフフ
お礼のタイミングを逃してしまい、
それならいっそ、お話にしちゃえ!と
久しぶりにうたかた・・・のふたりを
引っ張り出してみました♡
玄関の写真立てに
お気に入りのお写真と共に
飾っております( *´艸`)♡
ばんびぃさん、ありがとー!!
めっちゃご利益ありそう♡
お礼が遅くなってごめんね!!
さて。
大型の台風が迫ってきていますね。
みなさんもご注意くださいね!
なじゅも、しっかり引きこもります(๑•̀ㅂ•́)و✧