スタートライン。9 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。







side  J







迎えた追試の日。
全ての授業が終わった放課後の教室に残って、担任が配るテスト用紙を待っていた。

テストのやり直しはもちろんやった。
それだけじゃなくて、一年の時の苦手だったところも復習した。
苦手な事に変わりはないけど、それでもちゃんと理解して解き方はわかるようになった。
準備は万全。
だけど、膝の上で握った拳は汗ばんでるのがわかる。


・・・大丈夫、絶対クリアする。


かずと付き合ったから成績が下がったなんて言われないように。
かずがそんな風に見られないように。
母さんやかずの母ちゃん、俺たちを理解してくれてる人をガッカリさせないように。

ただの追試なんだけど、俺にはまるで人生を掛けた試験を受けるみたいな緊張感でいっぱいだった。


コンコン


窓を叩く音がして、顔を上げる。
そこにはひょこっと顔を出したかずがいた。

にこって笑って。
口パクで何か言ってる。
けど、それが何がわからなくて
思わず首を傾げた。

そしたら、今度はさっきよりもゆっくりと大きく口を開けてくれた。
かずが伝えたかった言葉はたぶん


「がんばれ」


両手を顔の前でぐっと握って、それはまるでファイティングポーズみたい。


うん、頑張るよ。


答える代わりに、うんって頷いた。






「そろそろ始めるぞー!筆箱以外は仕舞えよー!」

声を掛けながら担任が
裏側を上にしたプリントを一人ひとりの机に配って回る。

最後の人に配って、教壇に立った担任は腕時計で時間を確かめて、


「よし、始め!」


よく通る声で、テストの開始を告げた。








「じゅんくん、どうだった?」


心配そうに聞いてくるかずに、さっき終わった追試の答案を差し出した。


「・・・マジ?!すっげぇ!!」

「だろ?俺、今回マジで頑張った・・・。」


結果は、まさかの満点。
こんな点数初めて取った。


「じゅんくん、ホント頑張ったね。
ちゃんと結果が出て良かった・・・。」


自分の事みたいに喜んでくれるかずが
俺の頭をよしよしって撫でてくれる。


「俺、今回初めてわかった事があってさ。」


帰り道、いつもみたいに自転車を押しながらかずと歩く。


「頑張るのはさ、みんなやってるんだよ。だけど、ちゃんと結果を出していかないといけないんだよなぁって。
そうじゃないと、俺らを信じてくれてる人の期待に応えられないんだよな。」

「・・・うん、そうだね。」

「受験とか、まだあんま想像出来ないけど。
だからこそ、今目の前のひとつひとつをちゃんとやんないといけないって思った。」


かずが大事だから。


「かずと付き合ってて良かったって思ってもらえるような男にならなきゃなって。」


最後のセリフはちょっと恥ずかしくて
思わず声が小さくなったけど
きっとかずには届いてる。

隣を歩くかずの小さく笑う声が聞こえたから。