スタートライン。5 | 潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。








side  N




そんなモヤモヤとした、不安って名前を付けていいのかどうかもわからない気持ちは晴れる事はなく、
始業式の翌日には学力テストっていう超リアルな現実があって。


来年の受験に向けて、今の自分の実力を確認するための今回のテストは、一年の時の総決算みたいな内容。

進学校らしいっちゃそうなんだけど。

今の自分からは少し未来の大学生になった時の自分なんて、全然想像できなくて。

だからこそ余計に、来年の受験やどこの大学に行きたいかなんて事は
曖昧にすらも感じられない。

それでも目の前のテストは超現実なリアルな事。


とりあえず回答を埋めて、その日のうちに出た結果をカバンに詰めてじゅんくんと一緒にいつもどおり帰った。





「じゅんくん、どうだった?」


「・・・」


帰り道、話題のひとつとして
本当に何気なく聞いたテストの結果。

それなのに、じゅんくんは返事をしてくれない。


・・・あれ?
もしかして、聞いちゃいけなかった?


そう思って、ちょっとだけ不安になって。
自転車を押すじゅんくんの学ランの袖に、思わず手が伸びた。


「ねぇ・・・じゅんくん?どうしたの?」


くいって引っ張って、やっとオレの声に気付いたみたいにはっとした顔をした。


「え?!なに?」


やっぱり聞こえてなかった。
今までこんな事なかったのに。
そんなじゅんくんの様子にちょっと不安になる。


「だから!どうしたの?何かあった?」

「かず・・・テスト、どうだった?」


いつもより小さな返事に、心臓がドキってした。
ドキってしたから、それを隠すようにいつもどおりを意識してじゅんくんの言葉に答える。


「んー、まぁそれなりだね。じゅんくんは?」


何となく。
返ってくる答えは何となくわかっていた。
それでも聞かずにはいられなかった。


「俺、ヤバい。」

「ヤバいってなに?悪かったの?」


じゅんくんの答えは、正直オレの予想を超えた。
まさか。
今までのテストでもそれなりの成績だったのに。

それがなんで急に・・・?


どんなに考えてもわからなくて、3日後にある追試をクリアするために
オレに出来る事があればと思ったけど
いつもより弱々しい笑顔を作ったじゅんくんはオレの頭をぽんぽんって撫でて。

大丈夫だからって笑って、
いつもの交差点で分かれた。




そこから家に着くまで、じゅんくんの言葉が頭の中をぐるぐるした。

結局勉強って、自分がやるしかない。
それはわかってる。
だけど、オレがじゅんくんにしてあげられる事が何かないか、一生懸命考えた。

・・・考えたけど、何一ついい案は浮かばない。


玄関の鍵を開けて、いつもみたいに
誰もいなくてもただいまって声を掛ける。


「おかえりー。」


誰もいないって思ってたから、返事が返ってきたのにビックリした。


「・・・母ちゃん、いたの?」

「いちゃダメなの?」


そう言えば今日は母ちゃんは夜勤明けだったのを思い出した。

キッチンに弁当箱を出して、洗面所に向かう。

手を洗いながら目に入った鏡の中の自分の顔が、思っていた以上に泣きそうな顔をしてる事に気付いて
このままじゃ母ちゃんに心配掛けるって思って
そのままザブザブと顔を洗った。