妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
side N
教室を出て、じゅんくんにメッセージを送って。
待ってくれてる自転車置き場に急いだ。
自転車を押すじゅんくんと歩くいつもの道。
だけど、さっきのあの子の言葉が頭の中をぐるぐるする。
「かず、コンビニ行かない?アイス食おうぜ!」
じゅんくんの言葉がぐるぐるしていた頭を一瞬だけクリアにした。
じゅんくんのその誘いは、きっと察してのもの。
強い目ヂカラとキリっとした顔立ちからすごく神経質そうに見られがちなじゅんくんだけど、本当はすごく気遣いをする人だって付き合っていくうちにわかってきた。
オレが上の空なの、バレちゃってたんだ。
だから、そんなじゅんくんに心配掛けない為にも、その誘いに乗ってコンビニに寄った。
大好きなソフトクリームを掬って口に運ぶ。
冷たくて、甘くて。
思わず口元が緩む。
そんなオレを見て、ほんの少し目尻を下げるじゅんくんが可愛くて。
だけど、じっと見つめられてる事が何だかいつも以上に恥ずかしくて。
変な事を口にしてしまいそうで、何も言えずにいた。
「かず、どしたん?」
さっきといい、今といい・・・
じゅんくんはどうしてこんなに気遣い屋さんなんだろう。
てか、オレがそんなに隠しきれてないのかな・・・。
「んー・・・何かちょっとね、考えちゃったんだよ。」
あの子の言葉と、今のオレ達。
一緒のクラスになれた事に浮かれてたけど、これでいいのかなって。
「・・・なんか言われたの?」
「そんなことはないんだけどね、何かね・・・。」
心配そうな声で聞いてくるじゅんくんを安心させなくちゃって思わず誤魔化した。
だって、上手く言葉に出来ない。
いつも一緒にいるから。
一緒にいるけど。
「いつも」は、「いつでも」「いつまでも」じゃないんだ。
オレ、ちゃんとじゅんくんに気持ち伝えられてるのかな。
ひとつひとつの好きを、ちゃんとじゅんくんに伝えられてるのかな・・・。
胸に刺さったあの子の言葉が
オレの中でどんどん膨らんで
あっという間にそんな気持ちに変わっていた。