うたかたの中で宵待つ。5 | 潤いと和み。

潤いと和み。

世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。








俺の服を掴んでいたその手からゆっくりと硬さが取れたから、そのまま大野さんのいるプールサイドまで歩いた。

そんな俺たちを、またいつもの柔らかい笑顔で「んふふ」って嬉しそうに見てる大野さん。
その手を伸ばして、彼の頭をくしゃっと撫でる。

「目、覚めたか。心配したぞ。」

きゅっと唇を引いて。
だけど、大野さんを見つめるその瞳は柔らかくて。

その顔に、俺の心臓が早くなる。
初めて感じるその感覚、まるで全身に勢いよく血液と共に何か熱いものが駆け巡るみたいなその感覚に、逆に焦った。
水の中にいるのに、体温が上がる感覚。

なんだこれ・・・。

自分の体なのに初めて味わうその感覚に、ちょっと焦る。



「あ・・・っと。この人は、大野さん。大野智さん。俺は、潤。」

大野さんを見つめてひとつ頷く。
そして、俺を見上げて、またひとつ頷いた。

「きみは?えっと・・・きみは、誰?」

あとから考えるとちょっと聞き方おかしいって思うけど。
何て言葉を掛けるのが正解なのかわからなくて。
そんな俺の問に、薄い唇がゆっくりと開いた。

「・・・に・・・ぃ・・・の・・・」

初めて聞く声は少し掠れていて、正直聞き取りにくい。

「ん?にいの?」

「・・・にっ・・・ぃのっ!」

掠れたままなのは変わらないけど、さっきより強い口調で答えたその人の名前であろう単語は、やっぱり聞き取りづらくて。

「んー・・・。にいの、新野、かな?」

「もう、ニノでいんじゃね?」

大野さんの言葉に、うんうんって頷くから。

「ニノ、ね。じゃあ、ニノ、降ろしても大丈夫?泳げる?」

俺の言葉に少し考える風に黙って、うんってひとつ頷いた。



そっと抱きしめる腕を解く。
チャプンとひとつ水を跳ねさせ、ニノはそれは見事に俺の周りを一周してみせた。

・・・やっぱり人魚だ。

改めてそう思えるその泳ぎだけど、気になる事がひとつ。
水を吸って重たくなったそのコートが、僅かにニノの動きを邪魔しているような気がして。

「ニノ、脱いだ方がいいんじゃない?」

ん?って感じに首を傾げるニノのそのコートに手を掛ける。
思った通り、腕に張り付く袖が脱がしにくくて悪戦苦闘していた俺に、見かねた大野さんが

「水の中の方が脱ぎやすいんじゃねぇ?」

そうアドバイスをくれた。

「ニノ、一緒に潜って、水中で脱いでみようか?」

せーの!ってタイミングを合わせて、一緒に水中に潜る。
勢いで浮かび上がるコート。
それに合わせて、ニノの腕を抜いてやると、水面でやった時よりも遥かに簡単に出来た。

「大野さんの言ったとおりだった!」

脱がしたコートを丸めて、大野さんに手渡して。
コートの下のシャツも脱がしてやろうとそのボタンを上からひとつ、ふたつと外していく。
みっつめに指を掛けたけど、シャツの合わせから見えるニノのその肌に何だかドキっとした。

白いその肌、キメの細かさはこの僅かに見える部分でも充分すぎるほどにわかって。

・・・なんか、見ちゃダメな気がする。

・・・大野さんに見せるのは、
・・・・・・もっとダメな気がする。


それはもう直感でしかなくて。
ほんの今外したばかりのボタンを、下からまた順に掛けていく。
さすがに一番上まで留めてしまうと苦しいかなって思って、そこは外したままにして。

代わりに、袖をいくつか捲ってやった。


「どう?こっちの方が動きやすい?」

うんうんって頷いてにこっと笑ったニノ。


・・・やべぇ。
可愛い。


「ニノって、笑うと可愛いのな。」

その声は大野さんで。
同じこと思ってたんだって思ったら、
何かドキっとした。


もっとニノ の笑顔が見たい。
きっと、大野さんも同じこと思ってる。

パシャって水をニノに掛けて遊ぶ大野さんを見て、そう思った。
そして、大野さんにだけニノの笑顔を独り占めさせたくないって、思った。


「ねぇ大野さん、俺しばらくここに住んでいい?」

思わずそう言っていた自分に、驚いた。