桜のした、きみと。11 | 潤いと和み。

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末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
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大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。








足元に転がる黒猫。
やっぱりビックリさせたのかな。

だけど、言わずにはいられなかった。

順番待ちで並んでる時に感じた、周りの女の子達のかずを振り返る視線。
そして小さく聞こえる「かっこいい」「可愛い」って声。

外見は勿論だけど、ホントのかずの可愛さはそれだけじゃない。

2人だけの時に見せる、あの目がすごく可愛いんだ。
優しく、目だけで微笑むみたいなその表情。
それがすごく好きで。
そのうちオレへの「好き」って気持ちが溢れてくるんだ。

かずが笑ってくれたらすごく幸せで、そんな事を考えてたら、気付けば桜の下で伝えようと決めた思いが言葉になってた。



足元に転がる黒猫を拾い上げて、かずのその手に戻して。
今度はちゃんと目を見て、気持ちを伝えた。

「かずの初めて、オレに全部下さい。」

「俺の、初めて?全部?」

「うん。で、オレの初めても貰ってほしい。かずに。」

「じゅんくんの、初めて・・・」

そう呟いたかずは、一瞬で耳まで真っ赤に染めた。
その顔を見たら何か伝わったような気がした。

「じゅんくん、ちょっと場所変えよう。」

・・・まだプリクラの機械の中だったの、忘れてた。


入った時とは逆に、かずに腕を引かれてビニールの幕の間を抜けて。
撮った画像は落書きしないままプリントして、ふたりでゲーセンを後にした。




どこに行けばふたりでゆっくり話せるのか、考えて考えて。
結局、かずの家に戻ってきてた。

帰り道の二人乗りの自転車では、オレもかずも一言も喋らない。
というか、何も喋れなかった。

クレーンゲームで取った黒猫が、カゴの中で自転車の揺れに合わせて跳ねるだけだった。






「お邪魔します。」

誰もいない事はわかってるけど、それでも一言挨拶をして
リビングを通り過ぎて先にかずの部屋に入る。
ジュースを注いたグラスふたつを手に上がってきたかずの顔は、少し強ばっていて。

それが、何か。
・・・なんか、ちょっと悲しかった。


怖がらせたかったわけじゃない。
ただ、自分の気持ちを伝えたかった。
でもそれがかずを悲しませるのなら、口に出さない方が良かった。

自分の言葉を後悔してた。