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妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
ラウンドタオルとブランケットを畳んでトートバッグに仕舞い、公園の桜並木を駐輪場に向かって歩く。
反対の流れでみる景色は、行くときとさほど変わりない。
でも、お昼をだいぶ過ぎた時間だからか雰囲気は少し落ち着いているような気がした。
行きと同じように、半分こでバッグを持って。
時々重なる視線に、かずとふたりで笑いあって。
オレの気持ちを伝えたら、かずは怖がってしまうかな。
ほんの少しだけ、不安になる。
それでも、それくらい大好きだって気持ちだけでも伝えたいから。
だから、オレたちの始まりのあの場所に
もう一度行きたいって思った。
「一旦、うちに荷物置いていかない?」
かずがそう言ってくれたから、有難くトートバッグとお弁当箱を置かせてもらう事にした。
「ねぇ、かず。どうせならいつもみたいに二人乗りで行こう。」
「じゅんくん、疲れてない?大丈夫?」
「だーいじょーぶ!!行くぞ!!」
その手を引いて、自転車に跨った。
怖がらせたくないから、なるべくいつもと同じようにしたかったから。
インドア派のかずに付き合って、このショッピングモールに来たのはあれ以来。
ほんの少しだけテナントのショップが変わっていたけど、オレ達のお気に入りの雑貨屋さんはそのままだったから、前と同じようにエスカレーターで向かった。
「ねぇ、じゅんくん。女の子が振り返ってる。」
並んで歩くオレに辛うじて聞こえるくらいの小さな声でそう言うかずは、ほんの少しだけ唇を尖らせていて。
ヤキモチ、妬いてくれてるのかな。
だから
「手、繋ぐ?」
かずが安心するのならそれでもいいと思ったんだけど。
「・・・さすがにここじゃ、ね?」
そう答えたかずは、ちょっと困ったみたいに笑った。
それが何か・・・
・・・なんか。
ほんのちょっとだけ、胸がきゅってなった。
そんなオレに気付いたからなのか、かずがオレのシャツの裾を掴んだ。
「人多いから、はぐれないように。いい?」
尖ってたはずの唇は、もうその両端を少し上げて、オレの大好きな可愛い笑顔になってて。
「かず、ありがとう。」
たったひとつの行動で、オレの気持ちを楽にしてくれるかずが、やっぱり大好きだって思った。
ふたりで並んで歩いて
まず最初に辿り着いたのは
「・・・まずはココからっしょ?!」
「・・・いいよ!何からやる?!」
オレの枕元においてある「にのまる」を手に入れた、あのゲームセンターだった。