妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
じゅんくんと並んで寝転んで。
ふわりと掛けてくれたブランケットの下で、こっそり手を繋ぐ。
俺とじゅんくんの秘密。
2人だけの秘密。
それがいつも嬉しい。
こうやってる時間が好きで、じゅんくんの隣にいる時間が大切で、宝物に思える。
少し見上げたら見えるじゅんくんの綺麗な顔を見ながら、そんな事を考えて
お腹いっぱいで、幸せで、嬉しくて、ちょっと眠たくて。
うん、オレ今幸せだ。
そんな時間を過ごしてて思い出したのは、
初めてじゅんくんとキスした時のこと。
好きな人とのキスはとっても幸せだって
教えてくれたのはじゅんくんで。
きっと今、あの時よりもっと幸せなんだ。
そう思ったら、自然に湧いてくる気持ちに気付いた。
じゅんくんの、全部が欲しいって。
手を繋いで
キスをして
身体に触れて
上がる熱に触れて。
ちょっとずつ近づいてきた心と身体で
もうお互いに分け合えるものはひとつしかない。
大事な思い出の場所
その記憶を分け合って、新たな思い出を作った今だから
素直にそう思えたのかもしれない。
オレ、じゅんくんの全部が欲しくて
オレの全部をじゅんくんに見てほしい。
「かずー・・・。寝ちゃった?」
そう聞くじゅんくんの声の方が眠たそう。
だけど、オレも実は眠たくて。
「起きてるよー。どしたの?」
そう答えたけど、ちょっとウトウトしてた。
「・・・いちご大福、食える気がしねぇ。」
「・・・たしかに。」
それでも、じゅんくんのお姉ちゃんが持たせてくれたその箱を開けてみると、美味しそうないちご大福が、よっつ。
「・・・何か、食べれそうじゃね?」
「うん。てか、食べたい。」
結局、2個ずつをぺろりと食べてしまった。
甘さが控えめに作ってあって、重たすぎなくて。
餡子の甘さと苺の甘酸っぱさが絶妙で。
「美味しかったー!お姉ちゃん、すごいね!」
「ふふ。粉付いてる。」
そう言って指先が唇の端に触れた。
着いた粉を拭ってくれてるだけなのに
ほんの少しだけ振れたその部分が熱を持つみたいに感じて、恥ずかしくなった。
「今度こそ、もう何も食べれねぇ。」
「うん。でも、美味しかったよね。」
端に寄せていたお弁当をバッグに治して、
さっきより広くなったラウンドタオルに大の字に寝転がるじゅんくん。
その脇で、後ろに手をついてオレも足をなげだした。
空を見上げれば、枝の隙間から太陽が覗く。
ひらひらと舞う花びらが、寝転がるじゅんくんにふわりと落ちてきた。
それを拾って掌に乗せ、ふぅっと吹くと
またひらひらと舞っていく。
そんなふうにしてまったりしていたら、じゅんくんがオレを呼ぶ。
「これからさ、あそこに行かない?」
そう言ってじゅんくんが誘ったその場所は、
ふたりで初めて遊びに行ったあのショッピングモールだった。