妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
コンビニでじゅんくんと待ち合わせて、二人で並んで近くの公園に向かう。
この公園にある桜並木がここいら一帯では有名なお花見スポットになっていて。
芝生の広場があるから、みんなそこで思い思いにお花見を楽しむ。
今日は晴れたお陰で気温もそれなりで。
思っていた以上に人が多いみたいで、駐輪場も結構な台数がとまっていて、賑わっている事がわかる。
スタンドを立てて、鍵を掛けて、
前カゴから荷物を取り出した。
じゅんくんを見ると、前カゴの荷物とリュックを背負っていて。
「じゅんくん、荷物多くない?」
「一応、ブランケットとか持ってきたんだ。」
「ひとつ、半分持とうか?」
「あ、助かる。ありがと。」
ひとつのバッグの持ち手を片側ずつ持って歩くと、何だか自分の手の延長線にじゅんくんの手があって。
いつもは出来ない、外を手を繋いで歩くって感じが、ほんのちょっとだけ、した。
「どこまで行くの?」
じゅんくんにはまだ内緒のその場所は、公園を抜けて、さらにまだ奥。
「もうちょいだよ。」
途中、少し強い風が吹いて
桜のその花びらを散らした。
薄いピンクの花びらが晴れた青空に舞って
太陽の光を反射してキラキラと光った。
それはまるで、金平糖の雨のようで。
「うわぁ・・・すご・・・」
思わず足を止めて、その雨を受け止めようと、手を差し出した。
ひらひらと舞い落ちてきた花びらは、寸前のところで手のひらをすり抜け、地面に落ちる。
あ・・・って思わず溢れたのは、じゅんくんの声。
何となく、そのまましゃがみ込んでみた。
いつもより低くなった視線。
そこなら見上げる世界は、いつも見ているものとは少し違っていて。
「ねぇ、じゅんくん。しゃがんでみて。すごいよ。」
同じ世界を見せたくて手招けば
すぐ隣に同じようにしゃがみこんでくれるじゅんくん。
「ほら、見て。」
空を指差したと同時に、また花びらが舞っていく。
「・・・すげぇ、きれい。」
「ね?スゴいよね?」
ふたりで見上げた空の、その景色は
きっとずっと忘れられないくらいの綺麗さだった。