妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
じゅんくんと、でっかいクッションに
埋まるようにしてゴロゴロするのが好き。
背中側から抱き締めてもらうのが好き。
ホントは、それだけでいいのに。
だけど、じゅんくんのおねだりが可愛くて
思わず約束しちゃったお花見。
あれから一ヶ月。
そろそろ桜も見頃になってきた日曜日に、
まぁ・・・
その・・・
『 お花見デート 』をする事にした。
当日は日勤で手伝えないからって、母ちゃんから特訓してもらったお弁当は、
オープンいなりにした。
「最近流行りのインスタ映えらしいのよ!」
職場の若い人から仕入れた情報で教えてくれたそのオープンいなりは、確かに彩りも綺麗で美味しそう。
おいなりさんといえば、オレにとっては母ちゃんの味。
運動会のお弁当に、必ず作ってくれたから。
「おいなりさんってね、普通のおにぎりよりも手間がかかるのよ。でも、大事な息子の大事な日だから、頑張って作るのよ。」
今度はあんたが、潤くんのために作ってあげなさい。
そう言われて。
母ちゃん、オレらの事どう思ってるのかなぁって少し不安になって、顔を上げられなかった。
それでも、オレにとってじゅんくんが大事な人だってわかってくれてる事が、嬉しかった。
お弁当箱に詰めたおいなりさん。
母ちゃんに仕込みまでやってもらった唐揚げや、その他のおかず。
キレイに並べて、食べやすいようにピックを刺して。
少し引いて出来栄えを見てみたら、
なんか・・・
「・・・女子っぽくない?」
思わず溢れたけど、お花見だし。
ま、いいか。
暖かい飲み物も準備して、バッグに詰めて。
お弁当は寄らないように一番下に入れて。
父ちゃんと母ちゃんとよく行ってた
1本だけの桜の木。
近くに並木があるからか、穴場になってほとんど人がいない、あの場所。
オレの特別な場所に、じゅんくんを連れて行こうって、約束したあの時に決めてた。
準備はばっちり。
忘れ物はないはず。
頭の中で最終確認をして、跨った自転車の
そのペダルを大きく踏み込んだ。