妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
ベッドに並んで横になって、じゅんくんの腕に抱き込まれて。
少しは慣れたとはいえ、やっぱりまだドキドキしてしまう。
それを知られるのが恥ずかしくて、寝返りを打つ振りをして、じゅんくんに背中を向けた。
後ろから抱き込むようにお腹に回されたじゅんくんの手を、ついさわさわと触ってしまう。
2人でいる時、触れたくて手を伸ばすのはいつもオレの方で。
じゅんくんはオレの好きにさせてくれるけど、それが何だかじゅんくんの余裕みたいで、時々悔しくも、なる。
「かず・・・。」
優しい声で名前を呼ばれて。
「んー?」
何だか間の抜けた声の返事になった。
「明日、大丈夫だから。絶対上手く踊れるから、心配するな?」
お腹に回されたじゅんくんの腕に力が入って、ぎゅっと抱き締められた。
それで、もしかしたらって思った。
「ね、じゅんくん。オレの為に、今夜来てくれたの?」
失敗したオレを励ます為なのかなって思った。
「それもあるけど、かずにしてあげれる事、これくらいしか思い付かなかったから。」
リハーサルで失敗した演舞は、全体の流れの中でも山場になる場面で。
正直に言えば、また失敗したらって不安な気持ちもあった。
「かず、オレも頑張るから。側にいるから。一番近くで見てるから。」
「ん。」
一緒に頑張ってきたんだ。
上手く出来ない振りを、何度も2人で練習したり、お互いの振りをスマホで撮ってダメなところを探したり。
じゅんくんの頑張りを一番近くで見てきたのはオレで、オレの頑張りを一番よくわかってくれているのはじゅんくんで。
だから、明日も2人で一緒に頑張ろう。
「じゅんくん、見てて。明日、絶対キメるから。」
「うん。かずなら出来る。」
その言葉に嬉しくなって、安心して。
背中を向けていた体を反転させて、じゅんくんの胸に顔を埋めた。
じゅんくん、ありがとう。
その気持ちを込めて、初めてオレからキスした。
触れるだけのつもりだったそれは、じゅんくんからの唇を食 むようなものに変えられて。
「・・・ん・・・んん・・・」
思わず声が漏 れた。
それに応えるように、じゅんくんがオレの唇に舌を這 わせ、割 り入 ってきた。
ゆっくり、オレのと絡 めて。
細やかな動きで送られる刺 激に、電気が走るような感覚になる。
初めてのキスで感じた感 覚とまた違う、何も考えられなくなるような刺 激で、
頭が、体が痺 れたようになって。
「ん・・・ふっ・・・あん・・・。」
夢中でじゅんくんの動きに合わせていけば、自然と声が漏 れ てしまって。
耳を、首筋をなぞ るじゅんくんの指の動きにも反応して、声が漏 れてしまって。
気付けば、じゅんくんに翻 弄されて、その刺激に攫わ れないように、ぎゅっとじゅんくんのパジャマを掴んでいた。
「・・・かず、気持 ちい い?」
「ん・・・ヤバい。声、恥ず かしい・・・」
唇は触 れたまま話すから、その声と一緒にじゅんくんからの熱も感じる。
「可愛くて、止めらんなくなる・・・」
離した唇は、今度はオレの首筋に移って
小さくちゅっちゅって音を立てながら鎖骨の辺りに軽く吸 い付 いた。
呟くみたいに吐き出したその言葉が、唇で受ける時とは違うその刺 激が、またオレの 熱を上 げる。
「あ・・・や・・・じゅん・・・くんっ!」
「かず、好きだよ。」
一際強く吸 い付いたのは、肩に近い場所で。
その刺 激で、身体がビクンと跳 ね た。
「やっ・・・じゅんくん、なに?」
「一番近くにいるって、お守り。」
ぎゅって抱き締めて、おでこにちゅってキスされて。
「明日、早起きしなきゃだから。もう寝よ?」
ぽんぽんって頭を撫でながら何も無かったみたいにそう言われたから。
何だかさっきまでの熱が夢だったのかもって思っちゃって。
気が付けばいつの間にか眠ってしまってて。
目が覚めたのは、起きなきゃいけない時間をとっくに過ぎた時間だった。
「じゅんくん!ヤバい!寝坊したっ!!」