利休百首のご紹介です。

※利休百首とは
利休の教えである茶人の心得・作法などを
和歌に詠んだものです

「茶の湯とは
ただ湯をわかし茶をたてて
のむばかりなる事と知るべし」


この言葉を読むと、
「ただ湯を沸かして茶を点てて飲むだけ」
ならば、お作法もお稽古もいらないのでは?

そう思われるかもしれませんね。

この「ただ」は
奥が深い!

ただなんとなく、
気軽に、
のどを潤すために
美味しいお茶を飲むだけだったら

こんなに茶道が長く続くことは
なかったことでしょう。

私も茶道を
長年続けてこなかったと思います。



では、
この言葉にはどんな教えがあるのでしょうか。



利休の言う「ただ」には
「一心に」「心をこめる」
という意味があります。


タイミングよくお湯をわかし、
心を込めてお茶を点てる。

簡単そうに思われるかもしれませんが、
その「当たり前」と思われることが
決して簡単でないことが
この言葉には含まれています。




茶道教室でいろいろな方が点てた
お茶を飲むとわかるかもしれませんが、

同じお抹茶を使っても

お茶の量、
お湯の量と温度
点て方で
お茶の味わいは違ってきます。

もちろん同じ人でも
その時の状況で
お茶の点て具合が変わることもあるでしょう。

皆さん、どのくらい心を込めて
お抹茶を掬っているでしょうか。




堅苦しいと思われがちの作法ですが、

お点前には意味があり

茶道の精神を伝えるためであったり
お茶会をスムーズに進めるためであったり
相手や物を大切に思う気持ちの
表れであったりします。


無駄のない動きが
自分自身の心と
相手の心も落ち着かせます。

単なるお点前の手順や形式のみでなく
精神的な心の在り方が大切なのです。



また、茶道具や茶花などの取合せは

季節を大切にし、
調和を考え
お客様に楽しんでいただけるように
心を込めて考えます。


客は、
その思い入れや趣向を感じ、
受けとめ
ともにお茶を楽しみます。


共通の認識を持って
一碗のお茶を楽しむことから
一体感を感じることができるわけです。



のどを潤すためのお茶であって
それだけではない。

精神の修養をして
飲むまでの過程を楽しむという

先人たちの智恵が盛り込まれ
洗練されてきたものが茶道なのです。




とは言え、
茶道だから特別なものではなく
普段の生活の延長線にあるもの。


季節を感じ生活に取り入れ
相手を想い
自分の心にも目を向けながら
毎日を大事に生きること。

それが茶道の教えの
重要な部分だと思います。





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