中島みゆき10 | Review

Review

エンターテイメント評論(本、映像、音楽、お笑い…)



「他の歌手に提供した曲を自分で唄ったアルバム」第二弾…で「御色なおし」。中島作品の中でもとりわけ好きなアルバム。


非常に「都会的」というかアレンジも含めて洗練されたな印象。ジャケットの中島さんもおしゃれで美しい。


他の歌手に提供しているからなのか、同じ失恋の歌でも若干潔いというか、“怨分”が薄め。ただ本人が歌い上げることでより深い味わいが。



「すずめ」…前奏から引き込まれる。じんわりとした鍵盤の伴奏が迫ってくる。そこから、ベースとドラムが入ってきて悲哀がピークに。都会の失恋。ギター弾き語り練習中。


「最愛」…ピアノ伴奏が魅力的。どっかに譜面落ちてへんかな…


「カム・フラージュ」…これもかっこいいアレンジと伴奏、と思ったらバックバンドが甲斐バンド。当時のオールナイトニッポンのゲスト回で甲斐よしひろが「終盤のファルセットヴォイスのコーラスは私です」と告白している…


「美貌の都」…収録曲の中でとりわけクールな印象(提供した歌手は郷ひろみ)。作曲は筒美京平でアレンジは後藤次利。歌詞もなんだか王朝風というか、絵巻物みたい。


「かもめはかもめ」…このアルバムのハイライト。伴奏全てパイプオルガン一本。失恋の歌だが、荘厳すぎて何かの叙事詩みたい。前奏、間奏、エンディングと完全に伴奏に持って行かれている…