〽︎マリコの部屋へ〜♪、で万人が知る存在となった中島さんが、満を辞して世に放った作品。
1982年日本レコード大賞のベストアルバム賞、セールスも歴代トップ。トータルでの完成度も高く、当時の中島みゆきの到達点 といえる。
1曲目の「悪女」は、シングルとは全く異なるテイストで、ドスンと響くベースが基調となるアレンジ。編曲は後藤次利！そのまま間髪入れずになだれ込む2曲目「傾斜」も後藤のアレンジ。両曲とも今剛のエレキギター、後藤の野太いベースがゴリゴリ。
3曲目「鳥になって」からは一転して青木望のアレンジ。一貫してストリングスの伴奏で美しい。そしてそのままオーケストレーションが素晴らしい4曲目「捨てるほどの愛でいいから」。ストリングスに加えてところどころで聴こえる管楽器とハープが美しい。歌は最後の部分で涙の絶唱となり、切なさが最高潮に…
で、5曲目「B.G.M」はjazzyなアレンジと思ったらこの曲のみ松任谷正隆編曲。間奏のストリングス、時折バックで聞こえるミュートペットっぽい音もおしゃれで美しい。
「時刻表」…世を突き放した歌詞が続き、「世情」のようなテイスト。少し幼い歌唱に味がある。
「砂の船」「歌姫」…本アルバムのハイライト。どちらも歌詞・曲・アレンジともに素晴らしく、聞き終わった後も深い余韻が残る。
でき得るならこのアルバム、リリースされた同時代に聴いてみたかった…
